ポンコツイケメンのラブコメ理想論

笹篠巴

第1話 あくまで個人の感想です。

幼馴染はラブコメで本当に負けヒロインになるのか。


授業中。窓の外の飛行機雲を見ながら考えている。


最近のラブコメ系ライトノベルでは、負けヒロインに焦点を置き、勝つパターンが多くなりつつあるよな。じゃあ、負けヒロインじゃないじゃん。


幼馴染が美少女は当たり前で転校生又は後輩、先輩も美女ということはよくある。しかも、ハーレムを作るやつに限って隠キャという属性を持つ。そして、大体イケメンがざまぁ展開になり、フツメンたちはなんか途中から置いていかれる。


なんて不条理な世界なんだ。フツメンでもラブコメをする権利はあるじゃないか。


だから、僕はよく帰り道によく目を凝らしているんだが、大体明るいし、ヤンキー自体がいない。だから、夜のコンビニに行ったりして、路地裏を見ようとするが公道にコンビニがあるのでラブコメにならない。


しかもだよ?窓際の一番後ろが僕の席なのだが、全然ラブコメにならない。おかしい。ヤ○ーキ○ズで調べた結果、一番ラブコメになりやすいと書いてあったのに。しかも、高校二年生。後輩も先輩もいるポジションなのに!


こんな万全を期して(?)待ち望んでいるのに。


何がダメなのか。よくモテるらしい中一から大体横の席になる腐れ縁の友人に聞くとしよう。


横にいる清潔感があり、四股かけた結果バレても関係がなくならない少年。君原恒河くんに聞いてみましょう。


「なぁ、こうがさんや。俺はなんでこんなに頑張っているのにラブコメが始まらないんだ?」


「イケメンなんだけどな...」


これを聴こえないふりするのが難聴系主人公なんだろう?知ってるぞ。それもヤ○ーキ○ズで調べたし、難聴系主人公が出てくるラノベも読んだしな。


「イケメンじゃないよ。」


「イケメンなのは確かだが、ポンコツすぎるからな」


ご都合主義発動。俺は今から難聴系主人公だ。


「ん?で、どこを直したらいいんだ?」


「ポンコツなところ。」


「ん?」


「ぽんこ...」


「ん?」


「お前聴く気ないな?わかった。なら、外で体育してる女子に笑顔で手を振ってみろ。」


「よし。任せろ。」


クールな感じで、小さく手を振る。


後輩ちゃんたちと目が合い、まるでファンサしてるアイドル気分だ。アイドルじゃないけど。


試合の合間なのか、水分補給をしている子達がこちらをみている。水分補給を終え、体力測定に戻っていく。顔が赤いのはみんな頑張っている証拠だな。


ボール投げに移り、投げ始める。すると、四十メートルの記録を出している。すげぇ。みんな四十メートルくらい出るやん。肩つっよ。


「すげぇな。最近の女子は俺より投げてるぞ。うちの学校の陸上は強くなりそうだな。」


「そうだな。お前も頭の方を強くしような。」


哀れみを込めた目を向けてくるが、知らないふりをする。これが鈍感系主人公なんだろう。知ってるぞ。以下略。


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