迷い寺

私たちには目標が無い。


この町には車で来た。目的もなく、ただ遊びたいから来ただけだ。


車で移動する。


水族館やら、観光地を巡り、最後にスカイラインにのって帰ろうとしたところ道を間違えて、見知らぬ寺院に辿り着いた。


地図をしっかり見ていたのに道を間違えた。不思議に思った。


運転は友人に任せて、私は助手席に乗っていた。


車から降りる。


何やら怪しい寺院だ。


住職だと思う。誰かが寺院からやってくる。


その住職の家族も非常にフレンドリーだった。


私は地図を広げる。その地図には赤丸で各場所に数字を記入してある。


それを住職が見て、何を思ったのか、100と書いた紙を渡してきた。


何かの評価と誤解したのだろうか。


しかし、私はその誤解を特に何も指摘することなく、そのまま友人ととともにその町から立ち去った。


結局何も目的もなく来た町だったが、いつしか心はその町をPRしたいというものに変わっていた。


その後、その寺院はSNSでバズり、有名な観光名所となったのだった。

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