第22話 BBQ

朝9時に目が覚めた。

夢なんか見る事なく、ぐっすり眠れた。


いよいよ勝負の日、採用試験だ。

ボスが待ち構えるWJFの庵に向かう。

林道に車を駐め、ボスと出会った滝を眺めながら歩く。

左手前に小さな祠。

1ヶ月前は気付かなかった。

静かに手を合わせ、今日という日に感謝した。


庵が近づくと聴こえてくるレゲエミュージック。

うっすらと煙も上がっている。


「やあ!青年!」


「久しぶりじゃのう。青年。」

ボスと猟師さんだ。

呑気にBBQを楽しんでいる。

全身の力が抜ける。

「よう来たのう。まあ食べて行きなさい。」


クソジジイども!僕の気もしらないで!

心が叫ぶ。

少しナーバスになっていたようだ。


テキサス仕様のでかいBBQコンロを開けると、スギ板の上にサーモンの切身、その上にはライムとローズマリーが乗せてある。


プランクBBQ。


スパイシーな香りにお腹が鳴った。

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