-10- 「知らない子」

 子どもがたくさん集まると、たまに知らない子が混じっていることがある。


 子ども会でアイスクリームが配られたとき、一人だけあぶれてアイスをもらえなかった子がいた。


 僕はその子が誰かわからなかったけど、アイスを配ってたお父さんのところへ連れて行った。


 お父さんは「その子は一体どこにいるんだい」と一瞬不思議そうな顔をしたけど、すぐに「じゃあ、その子の分」と言って僕にアイスを渡した。


 あとで「さっきの子はアイスを食べたのかい」とお父さんに聞かれたから、「おいしそうに食べてたよ」と答えた。









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