第5話 レポート 4日目

朝はサンドイッチ作りを手伝った。日本人から教わったらしいフルーツサンド、ハムとチーズのサンドイッチなど。果物の比率が高いのは気のせいか。やたらと露出度が高いランニング用っぽい恰好なのは何故だろうか。


昼になって、アラモアナ・ビーチパークでのんびりピクニック。オアフ島というかハワイ全体がスポットは観光客でたくさんのはずなのだが、まばらだった。普通に日傘無しで日の下でサンドイッチを頬張る。小さい人間の子供にもフルーツサンドをあげていた。


昼食後、何故か近隣の住民とジョギング。仲の良い住民と出会った事がきっかけだったように思える。対象は正体を隠して、接しているのだろうか。悪魔などの存在は公にされていないケースが多いから不自然ではない。公言している方が異端扱いだからだ。


監視者も会話に混じってみた。どういう関係かを聞いてみた。意外に活発的である事を知った。エクササイズ仲間らしい。また、対象から果物を貰う事があるらしい。見た目も、やり取りも、周りの人間の女性と大差がないように思える。今まで吸血鬼として、退治されなかった理由はここから来ているのだろうか。


紹介された時、何故か普段の護衛役の遠い親戚扱いされた。解せない。全く似てないだろうが。


帰り途中、市場でマグロを購入。おっさんデレデレだった。


夜。ポケと味噌汁と漬物。ポケはマグロやアボカドなどたくさん入っていて、ボリュームたっぷり。おかわりもした。日本食の材料はロンドンにも売っているが、金が無いから作ろうという発想がなかった。味噌の材料を見たら、大豆と書かれていた。あれ。玉ねぎじゃなかったのか。マジで?


シャワーを浴びた後、仲良くネット配信を見た。サキュバスの類のゲーム実況者のだ。日本のホラーゲームをしていた。悲鳴をあげていた。それでもお前は悪魔の部類だろうと突っ込みたかった。対象は笑いながら応援していた。遠い世界の住人相手にも優しい。



明日で最後だ。仕事という感覚が無かった。感謝したいところだが、どうすればいいのだろうか。

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