第22話 月の光



雲の切れ間から光が差し込んで来る

辺り一面が輝き始めた

鱗のように散らばっていた雲が光を浴びて

その雲のひとつひとつが波頭の様に輝き出す


私は夜の空に

海を見る


今こうやって詩を書いているが

もしかして私の詩が

世間に知られることもあるかもしれない


その昔

共に生きた友へ

二人でえらくやんちゃな事をしたものだ

酒を飲んで暴れ回ったこともある

人生とは何かを語り合った事もある

それは若気の至りというものだが


海の向こうへ行った友よ

もしも世間に知られることがあったなら

織 風 羊

この3文字を君は見ることがあるかもしれない

その時に思い出して欲しい

この3文字で


私は君と夜の街で

あの時のように

ひと暴れしてみようなんて思っている訳ではない

そうするには歳を取り過ぎた

また人生を語り合おうとも思っていない

そうするには苦しみと悲しみを知り過ぎた


ただ元気でやってくれているのか

それだけが心配になる


今夜は満月の様だったと

月が全容を見せて気づくが

今は雲に隠れて

見えなくなってしまった友よ

元気なのかい

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