第9話 色当て

 


彼女は両手に挟んで「この色は何色」と私に聞く

私は「赤だ」と答える

彼女は「残念、ブルーよ」と答える

「じゃ 次は何色?」と彼女は別の色紙を両手に挟んで聞く

私は「星が沈んでいく色だね」と答える

「それって何色?」

と聞かれて私は即座に答える事ができずに

「そうね、明るい色じゃない事はわかるよ」

と答えた

「残念、今持っているのは白よ」

多分、そうじゃないかと思っていたとは答えられずにいると

「これが最後の質問」

と彼女は言って また千切った色紙を手のひらに隠す

私は確信に満ちて答える

「黒だ!」

彼女は言う

「また外れたわね、今、隠しているのは黄色よ」

私は どうでもいいよと思いながらコーヒーを飲む

「大した事はないようね」

と彼女は期待外れの顔をして言う

「どうして、そんな色がイメージできたの?」

私は言う

「今の答えは君の事が分からなくなった黒だよ、でも君は黄色と言った」

「その前の色は君の本心を知りたいと思った色、でも君は白と言った」

「最初の色は私が期待していた色の赤。でも、君が持っていた色はブルー」

そう言うと私は二人きりのテーブルから席を立ち喫茶店のレジへと向かった

二人分の精算を済ますと外へ出て空を見上げた

「愛じゃない、興味本位、それだけだったんだ」

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