第17話 うるさいカップル(仮)ーVer.ふぶきー

「…………えっと〇〇区△町、◇◇まで。」


私は見せられたスマホの文字を読み上げる。

てか、しゅんすけさん。生年月日とかいろんな個人情報が乗ってますけど、コレ私に見せていいんですか!!?


「かしこまりました。」


運転手さんは座ったままお辞儀をして、タクシーを発車させた


「お願いします。」


私も同じようにお辞儀をする。

一応礼儀として、こういうのは大事ですからね。


「ねぇねぇふぶきちゃんこれ持ってる?」


クイクイと私の袖を引っ張って、しゅんすけさんが尋ねてきた。

その手にはスマホが握られていて、さっきのSNSのアプリが表示されていた。


「持ってますけど?」


私は自分のスマホを取り出して同じアプリを開いて言う。


「じゃあ交換しようよ!」


っ!!………それは卑怯ですって。

いきなりウィンクするなんて…。


まぁ、その後すぐに酔いが回ってきたのか頭を抑えてたんですけど。

最後がなければ完璧だったんだけどなぁ。


「は、はい。」


私は男の人と交換することに少し緊張しながら返事をする。


「何よ、別に嫌ならいいんですけどぉ?」


ラブコメのツンデレヒロイン風に、彼は私をじっと見つめて言う。


「わかりました。いやじゃ、いやじゃありませんから!」


私は手をばってんにして否定する。

あれ?ばってんって右手と左手どっちが前だっけ。


「よっしゃぁ!連絡先ゲットだぜ!!!」


自分のスマホを確認して、大声で叫ぶしゅんすけさん。


「ちょ!声が大きいですってぇ!」


私は連絡先を交換した事実と、タクシーの運転手さんの目に恥ずかしくなりなら、彼をなだめた。


…………交換……しちゃった…。

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