夢の話 続かない

 魔法とモンスターがいる現代ファンタジーの世界で、巨人族と人間のカップルに生まれた子供のお披露目会に出ていた。小さなタッパの中に入った胎児を見せてもらった。この世界にはゾンビが大量に歩いていて、知性を持ったクソデカモンスターも闊歩している。人の姿に変身できるものもいた。


 兄の親友がどこからも嫌われているクソデカモンスターの一人で、「あいつの甲羅を洗ってあげろ」と頼まれる。人化した姿はボサボサの長髪猫背大きな体躯だった。甲羅ってどこだよ。甲羅と呼べそうな部位は見えない。巨人族は横にバカでかいが、この親友は全体的にでかいものの体型はヒョロヒョロ細長いウドのようだ。

 

 どこへ行くにも親友がいると「そいつが一緒ならダメそいつは一生出禁」と言われ、どんどん追いやられる。寂れた駅のホームになぜかシャワーがありそこで甲羅と呼べそうなものがないのでとりあえず背中を洗ってあげた。ついでに髪の毛も洗った。


 さっぱりした兄の親友と一緒に家に帰ると、家には避難民がいてたくさんのゾンビたちも押しかけていた。しかもゾンビには人権が認められるべき!と騒ぐ活動家がゾンビを守っているので倒せない。ヒグマかよ。お披露目会はもう終盤で各自持ってきた鍋に野菜の煮物をもらうターンだった。自分も小鍋を渡す。


 煮物を貰っている間、小鍋を置いてあったテーブルの下から誰かの食べかけのうなぎのトレイと馬券と赤いドクダミの花が一輪出てきた。主役に尋ねると「そんなものは無いはずだし馬券はまだ買っていない。買おうと思ってた」という。「ドクダミはカレンダーの挿絵と同じだから予知か?馬券も当たりそう」と急に都合のいいスピみたいなことを言い出したので、知らん知らん!勝手に変なこと言い出すな自分に責任を押し付けるな!と思って、外に出る。

 家の外に出ると、母が大福の包みを抱えてニコニコと上機嫌の様子。この機に乗じて遠方の友達に会いに行くらしい。自分もついていくことにした。


 街にはまばらなゾンビ以外人っ子一人おらず、なんの機か分からないが確かにいい機会のようだ。さあ出かけようというところで兄の親友が追いかけてきて一緒に行くことになった。あらゆる場所で出禁なのに…



終わり

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