第2話 ツイートで小説を書く話
──私は小説を書くのが得意ではない。文章を書くのは好きだ。しかし文章を整えて面白くするのは苦手だった。
「ツイートを20個くらいしたら、小説が書けちゃうんじゃない?」
文章を書くのは苦手だが、ツイートなら書ける…、そう思った浅はかな私はツイッターを開きツイートを打ち込む。
整えた文章を書くのが苦手なら、いっそ整えなければいいのではないか?私はピンと閃いた気分になった。投げっぱなしにすればいいのだ。面白くはなくとも、文字数は稼げる。書いたものがいかにひどくとも、文字数は稼げる。
それ、虚無じゃない?たぶん虚無だ。
昨日久しぶりにメントスを買い、今日は久しぶりにヨーグレットを買った。学生時代は毎日のように買っていたものだ。約束された安定のおいしさだ。ダイソーでレモンケーキとメロンケーキを買った。普段なら手に取らないが、文房具をかごに入れてレジに並んでいる間にレジ横に山のように置いてあったものだからついかごに一つずつ追加したのだった。おいしかった。
ダイソーを出て出口に向かう途中、ミスドからいい香りがした。いやあいい香りだ。いい香りなんだから仕方ない。私のせいではない。私の食欲のせいさ。
私はミスドに立ち寄り、5つのドーナツを買い、両手にドーナツを掲げた真顔の顔文字を添えてツイートをした。
そう、私はツイ廃なのだ。一日に20時間くらいツイッターを見ている。一日のツイートを繋げたらそれだけで日常を綴った小説になるのではないか。
他人に厳しく努力をせずに褒められたいとは何事かと誰かに対していうこともある私だが、実のところ全く努力をしたくない。努力をせずありのままのグダグダさを褒めてくれないかな~チラッチラッという感じだ。ツイートなら一日3000文字でも書けそうなものなのに。だからツイートで下書きをしてつなげてみた。
それで、3000文字は書けましたか?
ご覧の通りの有りさまでして…へへっ…へへ…
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