第29話

 まったくエリーは意に介さない。



「テメェら余裕、ぶっこいてんじゃねえェよ……!!」

 キララが啖呵をきった。



「えェ……」さすがに、マリアやエリーらも顔色を変えた。


「ここで捕まってみよ!! なんて言い訳するんだよ!!」



「えェ……? 言い訳」



「そうだよ!! 運転免許証やマイナンバーカードを見せて身元確認ができると思ってんのか!!」



「そりゃァ……」マリアとエリーは顔を見合わせた。


「第一、保険証持って、掛かりつけの病院へもいけないだろう!!」

「ン……、病院?」



「どう見ても七十歳には見えねえし、どうやってマリアやエリーだと証明するんだよ!!」


「証明……」


「あァ……、確かに、指紋認証やDNA鑑定をすれば、身元が確定するだろうけど……。

 いちいちそんなコトが出来るか!!」


「いや、まァ……」








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