<短編10>どうやら俺は普通の車が似合わないようだ

巷を走る車を見る度に

「この世のスポーツカーはきっと、一般人の手の届かない存在なんだ」

って思っているわたし。


私には彼氏がいるんだけど、どうしても似合う車が思い浮かばないんだ。私の周りを走る車はダサくて似たような車ばかり。

時には一般とかけ離れたデザインと素敵な彩りの車が目に留まる。

これまで少し音が大きくて瞬間的に速い車を目撃した時、暴走族だと思っていたわたし。

桜「ははは。あれは暴走族じゃないんだよ」


澪「普通の車が似合わない人っているんだなぁ」

桜「どんなのが合うんだろうな?」


澪「それが分からなくて、初めて知り合った時から悩んだんだよ」

桜「悩んでくれてありがとう♡」


澪「これまでの彼氏は普通の車で問題無かったのにね。一般人にも届くスポーツ車があるなんて思わなかったよ」

桜「それでおもちゃのトミカのスポーツ車は格好よく見えたのかな」


澪「そうかもしれないね。高そうな車ばかりなんだし」

桜「俺だってスポーツ車以外は興味無いから覚えられないねー」


澪「そうなんだね。私のクラウンが似合わないのはビックリしたし、これから違う目線で周りを見られるね!」

桜「まだ時間はあるさ。次の車をじっくり決めていこう」


そうして普通の車が似合わない桜の車選びが始まるのだった……

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