<短編5> 結魂  出会い

無限に拡がる大宇宙

満天の星空に羅列する


星の道標の示すまま

共に歩みを進みゆく


二人は結魂を結び

未来永劫ともに在り



郊外の夜のとばり。

小さいわたしが父に連れられて夜空を見上げると、

でっかい月が輝いでいた。

大きな月が浮かぶ満天の夜空。


機嫌のいい時はとても嬉しいんだけれど

機嫌が悪い時はついてこないでほしい。

逃げて逃げても、どこまでも追いかけてくる月。

そんな月がいとおしくも怖かった。


それから幾年、わたしが少し大きくなって

よく訪れていた夜の海辺に来たんだ。

月の光の反射に照らされた光が薄っすらと

上を見上げると、信じられない程たくさんの星が煌めいていた。


「わぁぁぁっ……!」


星ってこんなにも綺麗だったのね。

満天に浮かぶ星が羅列して

私の胸を締め付ける


ドキドキドキドキドキドキ……


胸の鼓動が早くなって、頭の中が真っ白になる。

頭の中がぐるぐる言っているんだ。

身も心も満たされて、体内の宇宙がさらに拡がる。


瞼を綴じればその向こうには宇宙空間が拡がってみえる。

学生時代はいつも孤独だった。愛なんて嘘だと思った。

出会いと別れを繰り返して。随分と遠回りしてきて


それから二人は出会っちゃった。

彼が私の求める、結魂の相手。

愛しているっ!

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