俺の影口を言っていた、あざと系美女と身体が入れ替わって、何故か付き合うことになった件

keimil

第1話 『あざと系美女』

広瀬 莉奈。


うちの学校でこの名前を知らない者はいないだろう。


成績優秀。眉目秀麗。コミュニケーション能力も高く、全ての人に優しい。

それが、この学校での広瀬 莉奈という女神の姿だ。



とおる君。もしよかったら、徹君も一緒に明日、クラスの打ち上げにいかない?」

誰にでも優しい女神は、ちょっと高めの透き通る声で、俺に声をかけてきた。

クラスの打ち上げなぞ知らなかった。

そんな、俺にも声をかけてくれる女神。マジで女神。


「行ってもいいの?じゃあ、行こうかな」

俺は、性格もいい完璧美女に声をかけられたことで気分が高揚していた。だが、それを悟られないように、しっかりと広瀬さんのぱっちりとした目を見ながら、すました声で返事をする。


「ホント?」

俺の顔を覗き込むように広瀬さんが、もう一度問い直す。

美術品みたいに整った顔が近くにある。そのことに緊張して、今度は思わず目を逸らしてしまう。

そして、明後日の方をみながら『うん』という返事をする。


「良かった。徹君、いつも人付き合いが悪いから断られるかと思って内心ドキドキしていたよ」


「いや、いつもは忙しいだけだから」


「じゃあ、絶対だよ!約束だからね!」


そう言って、俺の小指に彼女が自分の小指を絡めてくる。


『指切りげんまん、噓ついたら針せんぼーん、のーます。指切った』

そう言ってから、彼女は俺の元から去っていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る