第7話

第7話


「「「「さ〜ん、にぃ〜、い〜ち、ぜろ〜!

    あけましておめでとうございます!!」」」」


4人は仲良く年を越し新年を迎えた。


「みんな今年もよろしくね〜!」

「よろしく!」

「よろ〜!」

「よろしくです!」


こうしてスタートした新年。まだこの時の彼らはこの一年の大変さを微塵も想像していなかった。


「一旦仮眠とってから初詣行くか!」

「賛成!」


海斗の一言により一旦お開きとなり各々寝る準備を始めた。ちなみに部屋割りは男子チームと女子チームだ。

男子はリビングに布団を敷いて雑魚寝。女子は寝室で寝る。あらかじめ決めておいたので定番のゴタゴタはなくスムーズに就寝することができた。




「おっきろ〜! レッツ初詣!」

「元気だなぁ海斗……眠いよ僕……」

「早く着替えろ女子たちも今準備中だから」

「は〜い」


渋々布団から抜け出して準備を進める夏樹。4人の準備が終わったのは30分後だった。





✳︎✳︎✳︎





「すごい人だねぇ……。」

「! 夏樹……人多いからさ、迷子にならないように手つなご……」

「いいよ……」

あまりの賑わいに夏樹の口から思わずこぼれた言葉に氷緒はすかさず反応した。それに対し赤面しながらも嬉しそうにはにかむ夏樹。


「おい……イチャつくのは2人だけの時にしてくれ……俺と柚華の居場所がなくなるだろ……。」

「そうだよぉ……」

新米カップルに不服を申し立てる2人。柚華はぷくっと頬を膨らませており美少女の特権を余すことなくフル活用している。


「じ、じゃあお参りしに行こ……!」

場の雰囲気に耐えられなかった氷緒が早く早くと夏樹の手を引いて進み出す。


「氷緒も積極的になったねぇ……」

「だな……。」

恋愛評論家みたく頷く2人。初々しく赤面しながら手を繋ぐ2人。アンバランスではあるがこのメンバーで全員がお互いを信頼し合っているからこそこうして仲良くいれるのだろう。




「ねぇねぇ! おみくじ引こうよ!」

無事お参りも終わりそろそろ帰ろうかとしていた時柚華がそう切り出した。

「いいじゃん!」

「賛成!」

「僕も!」

こうして4人でおみくじを引くことになったのだが……。


「だ、大凶だ……」

震えながら呟く海斗。

「お! 大吉!」

満面の笑みの氷緒。

「中吉。まずまずかな。」

無表情の夏樹。

「凶……。」

がっくりする柚華。


4人それぞれの反応でくじ引きを終え、海斗に至っては大吉が出るまで引くと言い出していた。



こうして幕を開けた新年に4人の心は踊っていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る