第2話



夏樹視点に戻ります



時刻は21時。夏樹は柚華に相談に乗ってもらうために電話をしていた。


『なつくんはなんでそんなに自信なさげなの……? 1億%脈ありなんだけどなぁ……。』

「いや。わからないじゃん。氷緒が僕のこと好きかどうかなんて氷緒から直接聞かないと分からないよ」

『はぁ……。で? 何か聞きたいことがあるから電話して来たんでしょ?』


呆れるようにため息を漏らしながらも柚華は本題に入ろうとした。


「ああ。あのさ、二週間後のクリスマスの日にさ、みんなでイルミネーション見に行くって言ってたじゃん? その時に僕告白したいから最後の方でいいから2人きりにして欲しいな……って。」

『えっ!? なつくん本気? あのなつくんがついに? いいよ! みんなにも伝えておくね!』

「いい加減ケジメをつけようと思ってさ。それともう一つお願いなんだけど、振られても変に気まずい感じじゃなくていつもと同じ感じでいてね。」

『勿論! 100%大丈夫だけどね。』


こうして夏樹の告白大作戦は始動した。





翌日。


朝練のため早く来ていた海斗が夏樹が登校して来てすぐに飛びついた。


「なつ! お前クリスマスにするんだよな!? 頑張れよ! 絶対成功するから」

「ありがとう……。」


異常な情報の伝達スピードに驚きながらも応援してくれたことに素直に感謝する夏樹。どうしても身長差や夏樹の女の子のような容姿のせいで海斗と夏樹は一部の女子から妄想の標的にされている。〝海〟〝夏〟と言うそれぞれの名前の一文字から共通したイメージの夏をとって〝夏カプ〟と呼ばれていたりもする。本人達は気づいていないようだが……。


「夏カプ……朝から尊い……。」

「朝から供給ありがとう……。」


現在進行形で妄想のネタにされている様子の2人だが全く気にしていないし海斗は夏樹を弟のように思っていて夏樹は海斗のことを兄のように慕っているため勘違いされてもある意味自己責任だ。



「そんななつにひとつ助言をしよう。」

どこぞの白い神様のように体をクネクネさせて明らかにモノマネをしている海斗。夏樹はあえて無視をする。


「え、無視……? まぁいいよ。勝手に言うから。独り言だと思って。

んん……。柚華に聞いたところ氷緒は誰かを好きになったことが今までないらしい。それと、押しに弱いんだって。」

聞いていないふりをしながらも全力で脳内のメモに打ち込んでいた夏樹が顔を海斗に向ける。

「それで、自分から告白はしないけどされたら絶対okする人はいる……らしい。」


「え……。じゃあ僕ダメじゃん。」


夏樹は今にも泣き出しそうなほど瞳をうるうるさせて海斗にしがみつく。


「は……? お前ってバカなの……?」

一方海斗は信じられないと言った表情をしている。


前途多難な夏樹の告白大作戦———勝手に夏樹がネガティブになっているだけだが……はまだ幕をあげたばかりである。








★★


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できればアドバイスなどをいただければと思っております。




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