スーサイド新月蝶

空に飛び込めば月に反転して体は透ける

タバコのヤニはきっと崩れる

見上げても月しゃがんでも月

岩肌に麗かな月光の焼け跡

疲れたのは君も一緒

酷く黄金に光るように

あの日見た提灯の明かりと一緒

影は弔い、下弦は風葬

舞え、舞え、舞え

急かされたからふと後ろを見れば

ジオラマの僕らが月明かりになっている


月光は私の存在を危うくさせる

存在の雲は光を覆う

いや、光が存在の雲だったのだ。

弦は月に波打つ

月光は私の世界を危うくさせる


羽に幅をきかせて鱗粉を輝かせて

今すぐ会いにきて

黄金の粉は月が出ている証

そっと指に泊まってください

私があなたであってあなたが私であるうちに


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