4試合目 一方的な夜会~妹を添えて~

その日の夜、西屋敷は自分の部屋のベットで横たわりながらスマホをいじっていた。

 「今日はひどかった…明日からどうなるんだ?」

そうつぶやいた時だった。

 ピロン♪

携帯の通知が鳴った。

なんだ…?春馬からかな?

そう思い既読を付けたのを西屋敷は後悔した。まさに開けてはいけないパンドラの箱だ。

   相川さくらからの連絡だった。

「げっ!??」

おいおいおい待てよ???なんで連絡先知ってるんだ???

しかしそれ以上にこの一言…


  さくら:西屋敷くん?春馬くんの好きな食べ物って何???教えないとコロス。


 「そんなの自分で聞け!!!」

そう思わず叫んだ時だった。

 「ちょっと??もう少し声抑えて!」

こう叫ぶどこか西屋敷徹の面影を感じる八重歯が特徴的な華奢な女性は

西屋敷徹の妹、西屋敷柚希ゆずきだ。

 「そんな大きい声上げるなんて兄さんにしては珍しいね?」

 「ああ、実は今少し問題があってだな…」

ピンポーン

本当に問題だ。ぶっちゃけミミズの手も借りたいくらいだ。あいつら手ないけど。

 「そうだね。ミミズに手はないね。末期なんだ。兄さん」

 「ちょっとまって?なんで考えてることわかるの???」

 「私たち兄妹じゃん!当たり前だよ。」

え??世の中の兄妹ってそうなの?心で会話できるの?Ψ難さいなんな世界なの??

 「それはいいとして兄さん。よかったら私に話してよ。」

なにやだ優しい。シスコンに転職しようかな?酒場の神官はどこにいるかな?

ピンポーン

 「実は、いま兄さん。今日話したばっかの人から連絡きてさ…」

会話の途中で柚希が遮って質問をした。

 「それって女?」

 「え??一応女(死神にしか見えない)だけど???」

 「そっかあ。今日ごはん抜きね。」

ん???待て待て??確かに母親がいないから母親代わりを妹にさせてて申し訳ないとは思ってる。思ってるが、それはおかしい。

 「なんでだよ!??」

 「だって。私は忙しいのに兄さんは女とイチャイチャなんて許せない。」

た、確かに…女といちゃいty…

 「誰があいつとイチャイチャするか!!!!」

 「違うの???」

 「あいつは俺を脅してくるだけの撲殺堕天使さくらちゃんだ!!!!」

 「なーんだ。ならよかった♡」

そうそう。ってよくないよ???兄さん死んじゃうよ???

ピンポーン

 「さっきからうるさいな!??こんな時間に誰だよ!?」

西屋敷はそういいながらインターホンのテレビを見た。

 「悪魔だ…」

そうつぶやくしかなかった。なぜなら映っていたのは、暗闇の中、右手に魂を刈り取る形をした何かを持っている白目をむいた相川さくらだったからだ。

 「柚希!!絶対に扉を開けるな!!!」

 「どうかしましたか~?」

兄の目に映るのは扉をすでに開けている妹。

 「あああああああああああああああああああああああああ!!!!???」

西屋敷はハンマー投げ選手くらい叫んだ。

 「どうも。こんばんは?西屋敷徹くん?」

彼女はにやりと微笑んだ。


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