空虚、もしくは幸せ

 学校に行かなくなった。


 その結果、平日はただ一人で布団に潜って、そのまま何もすることなく時間が過ぎるのを待っているような、そんな生活を送っている。


 同級生は受験勉強なので、とやかく会話をするようなことはできない。ここ数ヶ月、誰とも話さずに生きていることに、今までの学校での関係はなんだったのかと猜疑心に悩まされる。


 それでもいいのかもしれないと思う。誰も傷つけない状態が一番幸せなのかもしれない。限りなく空虚に近づいた結果、限りなく理想に近づいた気がする。


 でも、願わくば、拠り所の一つ二つくらい欲しいのかもしれない。これが所謂ないものねだり。


 何もかも中途半端で終わらせてしまい、そのまま中途半端な日々を過ごす。前は数人の同級生と食べていた弁当の梨。今はただ時間帯の外れた昼食のデザートの梨を「甘いな」なんて思いながら孤独に食すのが、今は一番楽なのかもしれない。


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