ショートショート・ポエム

月光と紅茶

 愛おしそうに貴方が両手を伸ばす。

だから私はその手を取り、私の首にかける。

そうすると貴方は何も言わず、だけど嫌そうにそのまま手を強く握る。


 目を瞑れば、段々と世界が静かになっていく。


 不意に声が出る。そうすると貴方は手を離し、私を抱きしめた。本当に愛おしそうに、強く。


 私も抱き返して言う。


「ありがとう」

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