第1業 混沌ラプソディ!地獄の一丁目へGO!


池袋サンシャイン60の通りの街灯、それらには警察官達の死体がぶら下がっている。


桜並木と言うには不謹慎だろう。


「キャー~~~!」


真っ昼間、女性がかん高い悲鳴を上げた。


それも当然だ、こんなにも死体がある。


「うわぁ!ポリ公達があんな事に!これもブラック・ジーザスのやる事なのかよゥッ!?そこに痺れるゥッ!憧れるゥッ!」


と、B-boyのファッションをした名もなきチンピラがそれを絶賛した。


中には全裸にひんむかれた婦警もいる、それも一人だけではない、街灯の数個あるうちの半分以上はそんな感じであったのだ、美形な顔をした美男子警官も同じく全裸だった。


「ブラック・ジーザス、か………」


駆けつけた警察官、制服警官が言った。


その頃、組織犯罪対策部では会議が開かれていた。


「クソッ!これで何人目だ!」


「ここはブラジルやメキシコじゃないんだぞ!」


「足立区でもかつてこんな事無かったぜ!」


「糞餓鬼にも死刑制度を導入せねば!」


その会議室の扉が開かれた。


「能書きはその辺にしとけ無能共」


歳は二十歳前後に見える若さだ、それでいて発している威圧感、殺気、というものか?


それがその女性を殺人鬼にも思わせる。


「誰だね!君!!」


公安特別暴虐対策課こうあんとくべつぼうぎゃくたいさくか、通称特暴とくぼう課長、姫上明ひめがみあきら、またの名前を血濡れた処刑狂ブラッディーギロチン


「!連続不良殺人事件の姫上明……街のチンピラどころかやくざにまで手を出した女」


「えぇ、この度、


「誰だそれは!警視総監か!」



「待て!その件は先日国会で提出されてが関係してるのか!」


「モブ共は黙って私に引き継ぎすればいいんだよ、汚職刑事なら同じ穴のむじなだよ?」


凡人モブだなんて酷いこと言うねぇ」


一人、席を立ち上がりいつの間にか彼女の目の前にいて、彼女の腹部を殴ろうとした。


「何の真似だ?」


「僕はね、の子供、所謂いわゆる、コネで警察官僚エリートになった、だから君と僕は対等の立場にいる、男女平等パンチしたのさ」


「女性を対等に扱う?見下したいの間違いだろ?」


「察せられちゃうよねぇ」


「チッ、まぁいい、私達は私達のやり方でやらせてもらうからな、あぁあとお前さ」


「何?」


、何か、薬物やってるのか?」


「ご名答!だけど僕にかまってるよりさっさと処刑ころしを頼まれたなら行けよ」


「いつかお前を殺す」


姫上明が殺気を増幅させていった。


「はい、脅迫罪、まぁ真のフェミニストだから許してあげるよ」


それに対して怖じ気つかない男だった。


「どこまでも気持ち悪いヤツだな……」


「どうでしたか?」


部屋の外では陰陽師の服装と僧侶の服装をした男がいた。


「あぁ賀茂慰霊祭かもいれいさい高野山加持祈祷こうやさんかじきとう


「やはり不浄に溢れてたな」


賀茂慰霊祭かもいれいさいがそう疑問点を取り上げた。


高野山加持祈祷こうやさんかじきとうも頷く。


「不浄の塊だ、で、江戸三大閻魔えどさんだいえんまで誰を向かわせた?」


姫上明が答え、また違う話を切り出した。


「…………善養寺暗剣殺ぜんようじあんけんさつ


高野山加持祈祷こうやさんかじきとうが答えた。


「そうか、ヤツは一番イカれてる」


そうして、くだん善養寺暗剣殺ぜんようじあんけんさつが向かったところ。


クラブハウス鮫無さめなし


「-IA!I-I-I-IA!!IA-A!!IAIA!


ク・リトル・リトル!

ク・リトル・リトル!


ク!!!ク!!!

リトリトル!


Cthulhu、Cthulhu!!」


DJがディスクをスクラッチしながら叫ぶ、そのフロアの狂喜乱舞きょうきらんぶは他とは違った。


VIPROOMではブラック・ジーザスの幹部会が開かれていた。


「セコちゃんさぁ」


そんなけだるげな声で始まる会議。


「警察官殺し、そない楽しい?」


「まァァァそうですねェェェ」


暗黒四天王ブラック・フォーの一人、魔獣モンスター、青いフードを目深く被り、はだけた上着からは虎の刺青ウンシェンがある黒いジーンズをして安全靴をしている。蒼成虎ツァン・チョンフーに語りかけたのは同じく暗黒四天王ブラック・フォーの一人、黒い和服に狐面を祭りの時のように頭に乗せている。疫病神ディザスター軋本蘆彌きしもとあしやだった。


「また警戒されちゃうじゃない」


そう苦言をしたのは暗黒四天王ブラック・フォーの紅一点、極限に露出度の高いセーラー服をして見せブラをしてスカートをしていない鬼畜達の女王ゴブリンズ・クイーン獅子崎九里亜ししざきくりあだ。


「今の中国本土では当たり前だよォォォ」


蒼成虎ツァン・チョンフーが間延びした返事をする。


「ここは日本だ!だが我々おれさまもどうでもいい話だがな!」


最後の黒い学生服ガクランをした暗黒四天王ブラック・フォー不吉なる犬達アンラッキードックス三頭犬吠那由多郎さんずいぬぼえなゆたろうが一蹴した。


「警官が何人死のうがどうでもいい、俺達と出会った事は化け物に出会った話だ」


そんな暗黒四天王ブラック・フォーをまとめあげるリーダー。


その服装は異様だ、それが絹でも革でもない生地でまるで影に包まれてるようだった。


暗黒社会の魔王ダークサイド・ダークロード八咫鴉塗色乱々羅々乱々乱やたがらすぬればいろらんらんらららんらんらん


「では議題をーーー」


そのVIPROOM乱暴にドアを開けられた。


「どうも、この世のゴミ共!裏社会特別法案その四!公安特別暴虐対策本部、特暴の完全武装の認可!それにより!こんなにも長い長いダンピラを持ててしまうのさ」


腰に七本の刀をしている上半身が裸に近く、両肩を出していて半ズボンをしている。背丈は子供ぐらいで、子供そのものなので頭にした野球帽子がよく似合っていた。


「悪即斬どころじゃねぇんだわ!悪即殺!殺!殺!殺だ!殺殺殺殺殺殺殺!殺戮の円舞曲ロンドを奏でよう!悪党は誰からも本来死を望まれてるゥッ!善人が加害者擁護をしているのは見下してるからだよ!何が人間平等だ!ゴミはゴミと扱ってこそのゴミだろうだ!逆差別だ!悪平等だ!」


八咫鴉塗色乱々羅々乱々乱やたがらすぬればいろらんらんらららんらんらんはその殺気が漏れ出したのも動じない。


何故ならば彼の傍らには赤いスーツに紫色の目をした用心棒がいるのだから。


緋走村邪ひばしりむらじゃ、仕事だ」


「すやぁ」


彼はなんとこの状況で立ったまま寝てた。


「起きろ」


「すぴー」


まだ寝ている。


「お早う!!!!!!村邪むらじゃ!!」


八咫鴉塗色乱々羅々乱々乱(やたがらすぬればいろらんらんらららんらんらん)が彼を起こすために声を張り上げた。


「ん……」


「てめぇ……いつからいた?」


それに対して善養寺暗剣殺ぜんようじあんけんさつは気配に気づいていなかった。


眠っていながらも気配をからだ。


「君こそいつからいたの?」


「質問を質問で返すんじゃねぇよ」


「なら返す刀で切りつけるか」


「なっ」



極端殺気きょくたんさっき」。


「どういう事だ!」



「危ねぇな!」


それを紙一重かみひとえで避ける少年。


彼の生い立ち、大家族十一人家族、年功序列ではない序列、父親が一番、後は貢献した度合いによって序列が上になる。


性ご奉仕によってだ。


小学生になる前に金玉を潰された。


彼は末っ子だけど耐えられた。


長女、次女、三女、四女、五女、六女、七女、八女、そして末っ子の彼。


長女はパパ活始めたお金で高跳びした、見せしめとして四女を撲殺した、その後結局次女と三女を撲殺した、六女は三回目の撲殺を見てショック死、小学校入学したばかりの七女は仇討ちしようとして返り討ちにあって撲殺された。幼稚園児の八女はお風呂に水を貯めて、水中で何かに謝るように土下座しながら溺死して自殺した。


それで漸く母親が父親を殺した、彼を守るためにって言って。


母親はその事件の惨状のあまり非常にまれな殺人罪で執行猶予がついた、その後、『政治団体SABERsセイバーズ』に加入した。


彼は生き残った。


彼は実の親父の虐待の拳を何発も浴びた。


だが生き残った。


超反応ちょうはんのう』、まず第一に攻撃を食らった瞬間、瞬時に体をそらす事が出来る!それによって彼は地獄を生き抜いた!


「あぁそうか、君が善養寺暗剣殺ぜんようじあんけんさつか」


その技を見せられても動じない緋走村邪ひばしりむらじゃ


「そうだ」


「抜刀してくれよ、そいつは師匠、十七代目、村邪むらじゃ遺骨骨刀いこつこっとうだろう?」


「あぁそうだ、悪党共、世間様の堪忍袋の緒はとっくに切れてるんだぜ?皆殺しだよ」


「そうか、まぁ……瞬間移動テレポートだ」


「なっ……!」


二人をとりまく景色が一変した。


屋外、それも路地裏だった、繁華街から外れた都会のスポットは暗がりに満ちていた。


「これが俺の異能の派生技さ」


「なんていう技をしてるんだよ!」


驚くのも当然、でもあったからだ。


「これが用心棒に雇われる理由よ、俺は逃亡専門の運び屋はこびやでもあるんだよ」


「ここはお気に入りの場所だったな」


「あぁ?」


緋走村邪ひばしりむらじゃが怪訝な顔をし始めた。


その場所に男。賀茂慰霊祭かもいれいさい


彼は喫煙をしていた、火を使わない加熱式煙草、アイコスだった。


「賀茂ちゃん久しぶり」


「あぁ、お前も元気そうだな」


「『』は死なねぇようだなぁ」


そんな挑発を彼は無視した。


「おい、善養寺暗剣殺ぜんようじあんけんさつはどうした?」


怒気をみせる賀茂慰霊祭かもいれいさい


「えっ?」


「このバカは眠ってただろう?なら


「えっ?」


「説教は後だ、お前は帰れ、コイツは俺がやる、いや、



鬼柄猛おにがらたけしはいつの間にか空から落ちてきた。


それによって三人は同窓会つどった。


いや、四人目もいた。


八咫鴉塗色乱々羅々乱々乱(やたがらすぬればいろらんらんらららんらんらん)


彼もその場に瞬間移動テレポートしていた。


「懐かしいな、八咫烏やたがらすにおいて超新星スターシードでも四天王してんのうと言われた俺達が同窓会つどった」


「ひっっ」


善養寺暗剣殺ぜんようじあんけんさつは恐怖のあまり、子供のように失禁した。


殺気だけではない禍々しい光気ぜんいや毒々しい邪気あくいが入り交じる、そこでは覇気はきがぶつかり合ってもいる。


ここはまさしく、地獄の一丁目だった。







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