第15話 ヒナのヨーコ
「ヨーコが今まで私にしてた事って言ったら分かるかな?」
「...」
ヒナの手に力が入り私の手を強く握る。
動揺して言葉が何も出てこない私を置いてけぼりにしてヒナは話し出す。
「私ね、おやすみって言った後にヨーコが頭を撫でてくれるのが大好きで嬉しかったの。安心したし、すごくいい気持ちで寝る事が出来たもん」
そう言って話し出したヒナは本当に嬉しそうに話している。
その顔を見るだけでさっきまでの動揺は無くなって落ち着く事ができた。
バレているから嫌われたのかと思ったけどそうじゃないようだ。
「でもヨーコがキスしてきた時は流石に驚いたよ。全然嫌じゃ無かったしもしかしたらヨーコも同じ気持ちなのかなって思ったの」
同じ気持ち?
私はヒナの事が好き、だから普段じゃ叶える事ができない事を寝ているヒナにこっそりとしていた訳で。
ヒナも私が好きだから、その...キスとかしたいって思ってくれてるのかな。
そうだと嬉しい。
「ヨーコ、私の事...好き?」
「...好き。ずっと好きだった」
「ふふふ、嬉しい。じゃ、ヨーコは私のモノだね」
「うん、ヒナのモノだよ」
「ふふふ」
私の手を強く握っていたヒナの手は離れて、立ち上がったヒナはクローゼットの方へ行った。
ガサゴソと何かを取り出してこちらに戻ってきたヒナの手には首輪と手錠を持っていた。
「ヨーコ、全部私が管理してあげるね。ヨーコに近づこうとする人を遠ざけて今まで友達が出来ないようにしたりしてたけどもう大丈夫だね。大変だったんだから、私だけのヨーコなのに近づこうとする虫を叩くの。怖がられてるって思ってたみたいだけど、あれ本当はみんなヨーコに見惚れてただけで、ヒソヒソ話したりしてたのもヨーコがカッコよくて可愛いから話しかけようとしてただけだし。でもちゃんと私がいつもヨーコの側にいて守ってたからね」
「...え?」
いつもヒナが一緒にいてくれたのは私に他の友達が出来ないようにするため?
目が怖がられてると思ったりしてたけど他の子達もヒナと一緒で怖がっていなかった?
「安心して、私がずっと一緒にいてあげるから」
「ヒナ...?」
「だってヨーコは私だけのモノなんだから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます