3


 17時の閉館時間を迎え、残っていた子供たちを全員送り出してから、朔は安西と前村と一緒に館内を清掃して回った。テーブルや椅子の乱れを直し、ゴミ箱のゴミを集める。本棚の見回りをしてはみ出した本を整頓して、貸し出しカードを数えてカウンターの引き出しに仕舞った。明日来る予定の司書の先生に宛てて、簡単に今日のことを報告ノートにまとめていると、書架に戻す本を抱えた前村が、カウンターの朔の傍に寄ってきた。

「ほんとに待ってるな」

「…うん」

 苦笑交じりに朔は顔を上げた。耳打ちした前村の視線の先を辿れば、子供用の大きな丸テーブルにひとりで座っている青桐の姿があった。もちろん準一はもういない。先程、引率してきた学童の先生に連れられて、泣く泣く帰って行ったのだ。

「青桐くんて、ああいうやつだったんだなあ」

 しみじみと前村が呟く。ああいうやつ、が今までどういうふうに見られてきたか、前村の言いたいことが朔にはよく分かる気がした。

「なんか結構普通じゃん? オレ完全にめんどくせえ陽キャのパリピだと思ってたわ」

「はは」

 そう言う前村自身も、地味な図書委員を真面目にこなすようには見えない、割と同級生の中では目立つ存在だ。青桐とはタイプが違うため、共通する友人もおらず、互いにあまり話したことはないようだった。

 思わず声を出して笑うと、青桐が目だけを上げてちらりとこちらを窺い見た。

 朔はそれに視線だけを返す。

「そうでもないみたいだよ」

「うん、ちょっと安心したわ」

「え?」

 見上げると、前村は口の端をほんの少し引いて笑った。

「話に聞いてたからさ。藤本が困ってるなら助けようと思ってた」

 でも、と続ける。

「振り回されっぱなしってわけでもなさそうだし」

 朔と青桐が揃っているところを初めて目の当たりにして、それはなさそうだと前村は思ったようだ。

 実際のところは八割方振り回されている気がするが、それは言わないことにした。前村の言うことも当たっているからだ。

 否応なしに青桐と付き合っていく中で、はじめのころのように目が回るような戸惑いは次第に薄れていっていた。

「まあ、うん」

「でも困ったらいつでも言えよ」

「ん、ありがとう」

 小声で言う前村につられて朔も小声で返す。そこに床に何かが擦れるような激しい音が立った。何事かと顔を上げると、書架の間から安西が現れた。折り畳み椅子を両手に二脚ずつ引き摺っている。

「おっなっか、空いた…」

 朔と目が合うなり、安西は死にそうな声で言った。


***


「青桐は行かなくてよかったのか?」

 薄い闇の幕が下り始めた帰り道を歩きながら、後ろを振り返る。二歩ほど離れてついてくる青桐に言った。

「ラーメン、お腹空いただろ?」

 片付けの途中で空腹で動けなくなってしまった安西の腹を満たすべく、前村は彼女を近所のラーメン屋に引き摺って行った。もともとスポーツ選手だったからか、よく空腹になるようで、委員活動のとき安西は大体いつも休憩中に何かを食べていた。だが今日は購買で買うのを忘れていたらしく、完全に燃料切れになっていたのだった。

『だめだーもう歩けないいいーっ、前村おんぶしてえ』

『おまえ…、ラーメン屋すぐそこだろ、歩け歩け』

 どうにかやるべきことを終えて図書館の戸締りをし、外に出たときには18時を過ぎていた。校門を出るなりしゃがみ込んでしまった安西が両腕を突きだして前村に絡んでいる。ふたりは中学からの友達で仲が良い。

『ええーじゃあ…、青桐でもいいけどー』

 安西は一瞬朔を見て、それから差し出した手を朔の後ろに立つ青桐に向けた。けれど青桐はなぜか返事をしなかった。ちらりと振り仰げば、首を傾げているだけで動こうとていなかった。基本的に親切な青桐にしては珍しいと朔は思った。

『なによもー青桐のけち』

 しょうがねえな、と前村が笑った。

『青桐くんも嫌だってさ、ほら、立て立て、手え引っ張ってやるから』

 前村に腕を引っ張り上げられて安西は立ち上がった。少しだけ呆れた目を青桐に向ける。

『あんたってヘンなとこで面倒よね』

『別に』

 青桐が素っ気なく返すと、安西は肩を竦めた。

『なあ、ふたりも行かねえ? あそこ、3人以上で行くと割引になんの』

 ふたりのやり取りを見守っていた前村が話題を変えるように言った。けれど前村の誘いに青桐は黙ったままで、そんな青桐を見て、朔は言った。

『ごめん、また今度にするよ』

『おう、そうな。じゃあまた明日』

 前村はそれ以上は誘おうとせず、あっさりと笑った。

 ぐるぐるとお腹を鳴らしている安西の腕を取って前村は歩き出す。ふたりの背中を見送って、朔は青桐と歩き出したのだ。



 振り返った朔に、青桐は小さく鼻を鳴らした。

「別に、腹減ってないし」

「そう?」

 朔は少し空腹を感じていた。家に何かあっただろうか。自分で何か作るか、母親は今日も遅くなるんだっけ…

「朔は?」

「え?」

 唐突に訊かれて、考えに沈んでいた朔は慌てて振り返る。そんな朔を青桐はじいっともの言いたげな目で見下ろしていた。

「朔は行きたかったの? あいつらと」

 朔は驚いた。

 まるで機嫌を窺われているようだ。

 こんなことは今まで一度もなかった。

「俺は、別に…、青桐こそ、安西さんとは知り合いだった?」

 話題を変えたくて思いついたことを咄嗟に口にすると、青桐はわずかに顔を顰めた。

「……従姉の友達だよ」

「ああ、そうなんだ」

 そういえば青桐には同じ学年に従姉がいた。確か名前は、高瀬──高瀬たかせ由生子ゆうこ。階の違うクラス。二年四組なら安西と同じだ。

 一度遠目に見たことはあったが話したことはない。彼女の方は朔のことなど知らないだろう。青桐が話していなければの話だが。

 彼女はどんな顔だっただろう。

 由生子の顔を思い出そうとした朔の手元がふと翳った。

「朔は、──」

 顔を上げると、目の前に青桐が立ち塞がるように立っていた。鼻先が彼の体に触れそうで、朔は思わず一歩引いた。

「朔はなんで俺の前だと笑わないの?」

「…え?」

「あいつらの前では笑うじゃん、なんで笑わねえの」

 青桐が左腕を掴んだ。

 肘のすぐ上。優しく、そっと。でも、振りほどけないほどの強さで。一歩引いた朔を引き戻すように。

「わら…笑ってる、けど…?」

「笑ってない。いつも、仕方ないって顔してる」

「──」

「気がついてねえの?」

 仕方のない顔。

 そうだっただろうか。

 青桐の前で笑ったことがなかっただろうか。

 表情はもともと乏しいと言われてはいるが…

「そんなことないよ」

「あるよ。なあなんであんな顔すんの? 俺といて楽しくない? 俺が困らせてるの?」

「それは」

 朔は言いあぐねた。

 違う、と即答が出来ない。

 青桐が顔を歪めた。

「今日のことまだ怒ってる?」

「今日のことって…」

「あの女のこと」

 細川のことだ。朔が言葉を濁したのを、青桐は昼間の彼女との事が原因だと思ったようだ。慌てて朔は否定する。

「俺が何で怒るんだよ。別に何も思ってない、ただ」

「今までにも同じようなことあったんだろ? なんで言ってくんなかったんだよ」

 どうしてそれを。言ったことなどなかったのに。

 今日あの場にいた誰かが青桐に言ったのだろうか。それとも、青桐自身が誰かに聞いて回ったのか。

「そうだけど…」

 青桐の言ったことは本当だ。だけど彼に言おうとは一度も考えたことはなかった。青桐を慕う者は多く、だから仕方のないことだと思っていた。

 でも、細川のことは付き合っていると言われたから、今までの女の子たちとは違うと、そう──

 青桐が好きな人だと思ったから。

 好き合っているのなら仲良くしてほしいと、それだけで。

「でも、俺は」

 それをどういえば伝わるだろう。

 朔が言葉を探していると、青桐が声を荒げた。朔、とまた腕を引き寄せられる。

「俺ほんとに違うから、あんな女知らねえし、だからちゃんと言ってきたから」

「言った?」

 ぎょっとして、朔は青桐の言葉を遮った。

 まさかそんなに早く?

「言ったって、細川さんにか?」

「そうだよ」

「なんて、──何て言ったんだよ」

 さあ、と血の気が引いた。

 どうしよう。やはり言うべきじゃなかった。細川が傷つけられていたら──青桐が、人を傷つけていたら。

 俺のせいで。

 けれど青桐は朔の心配をよそに、あっさりと言った。

「付き合ってないからって。勘違いさせて悪かったって」

 言い終わると青桐は朔をまっすぐに見つめた。

 見合わせた目が、その視界が、ゆらりと揺れた気がした。

「…それだけ?」

 本当かと問うと、本当だよ、と青桐が頷いた。

「勘違いしてるやつに他に言うことなんかねえだろ」

「は……、そう」

 朔の体から力が抜けた。

 よかった。

 青桐がひどい言葉をぶつけなくて。

 人を傷つけなくて、よかった。

 激しい安堵で眩暈がしそうだった。

「……よかった」

「朔」

 青桐が向き合うように俯く朔の右腕を取った。

「あの子供に俺のこと言ったの、あれ本当?」

「…え、なに? 準くん?」

 覗き込む目はひどく真剣だった。

「友達だって、俺のこと、言っただろ?」

 ああ、と朔は頷いた。

 そうだ。

 準一に友達かと訊かれて朔は、友達だよ、と言った。

「あれは、──」

「俺すげえ嬉しかった」

「え…」

 朔の腕を掴む青桐の手に、わずかに力が込もった。

 身長差は10センチもない、なのにどうしてこんなに見つめられるだけで、気圧される気がするのだろう。

 見上げる朔に、青桐は眉を下げた。

「嬉しかった、朔が俺のこと友達だって思ってくれてるって」

 綺麗な目だった。

 長い睫毛、青白い瞼、美しく放物線を描く二重の目。

 ココアを溶かしたような色合いの瞳。その中に写る自分は目を見開いて、驚いた顔をしていた。

「…青桐」

 滲むように青桐が微笑んだ。

 藍色に変わりゆく闇の中で、白い花が開くようだ。

 それを見て朔は複雑な気持ちになった。

 あのとき、一瞬だけ迷ったとは言い出せない。

 そうじゃない、そんなんじゃなくて、俺は。

 喉の奥が詰まったようになり、朔は顔を逸らした。

「なんで、青桐は、俺にそんなに構うの?」

 ずっと訊きたかった。

 半年経って初めて口にした言葉は、なぜか朔をひどく落ち着かなくさせた。

「俺はそんなに話が上手いわけじゃないし、面白くもないし、青桐とは違って…、全部違うのに、なんで俺に話しかけてきたの?」

 青桐は一瞬驚いた顔をして、それからまたふわりと、暗闇に光が溶けていくような笑い方をした。

「だって、朔だから。朔だから、俺は仲良くなりたかったんだ」

「俺だから…?」

「うん」

 答えになっているような、なっていないかのような言葉に、朔は返す言葉が見つからなかった。俺だから、俺だから声を掛けてきて、そして仲良くなりたかった──

 強引に朔を振り回しているように見えた、あれはすべてその思いからだろうか。そうだとして、そう思った原因は?

 理由は?

 そこが一番聞きたかったことなのに、うまくはぐらかされた気がした。けれど微笑んでいる青桐に朔はそれ以上何も言えなくなって、口を閉じた。

「分かった?」

「…うん」

 頷くと、腕を掴んでいた青桐の手が緩み、制服のシャツのうえを滑り落ちてきた。手首の内側を撫でられ、そのままぎゅ、と手を繋がれる。

「じゃあさ、俺もさっくんて呼んでいい?」

「はあ?」

 朔は声を上げた。

 なにがじゃあなのか、話の繋がりが見えない。

「あいつには呼ばせてたじゃん、俺もさっくんて呼びたい」

「だ、何言ってんだよ、だめに決まってるだろ!」

「なんで」

「な、なんでって…っ!」

 なんで、なんでだ。

 なんで今の今でこんな話になっているのか。繋がれた手を離そうとするが、ぎゅうぎゅうと握り込まれてしまっていて、全く振りほどくことが出来ない。

 真っ赤になった顔で朔は叫ぶように言った。

「こ、子供じゃないし、そんな、普通に名前でいいっ、ちょっともう痛い、手え離せよ…っ」

 ここはまだ学校の近くで、しかも道の真ん中だ。いくら人通りが少ないとはいえ誰かが通りかかったらと思うと気が気ではなかった。

「じゃあ朔も俺のこと名前で呼んでよ」

「…っ、いや、それは」

「最初に言ったよね、俺。名前で呼んでって。なのにいつまで経っても呼んでくれないじゃん」

「そ、それは…っ」

 呼べるか、と朔は心の中で叫んだ。ハードルが高すぎる。基本誰に対しても苗字でしか呼ばない。なのに青桐だけ名前で呼ぶなど、今さらということもあるし、ただ単純に恥ずかしくて出来なかった。それでは本当に本当の──友達のようだ。

 長く付き合いのある友人にさえそんなことをしたことはない。

「ね、一回だけ。一回だけでいいから、俺のこと名前で呼んでよ」

「や、やだよ、できな」

「じゃあずっと手え繋いだままだよ?」

「嫌だよ!」

「じゃあ呼んで?」

 指は次第に絡まって、普通に繋ぐだけではなくなっていく。巧みに導かれ、指と指を交差するようにされた。手のひらを合わせて擦り合い、指の股をするっと長い指先で撫で上げるようにされて鳥肌が立った。朔は息を呑んだ。両手を同じようにされて、ぞわぞわと覚えのある感覚が体を走り抜けていく。たまらなくなった朔は、青桐に両手を捧げたまま唇を噛んで俯いた。

「朔、一回だけだから」

 耳元に落とされた声にぞくりと体が震えた。やり過ごそうとぎゅっと目を閉じた。

 これ──、絶対わざとだ。

「ほんとに一回…?」

「うん」

 手は離れない。さらに握り込まれて青桐が本気なのだと分かった。

「…っ」

 どうしようどうしよう、と逡巡しているうちに、朔、とまた呼ばれた。合わせた手のひらから汗が噴き出す。もう限界だった。

「…、よっ、よ…しや」

「うん」

「由也! もういいだろ、離せよっ、よし、やっ…!」

 突然腕を引かれ、強く抱きしめられた。

 頬に当たる清潔なシャツの感触。青桐の匂いがする胸に、朔はきつく抱き込まれていた。

「うん、うんうん、朔」

「ちょ……! 青桐っ」

 ぎゅうぎゅうと抱きしめてくる体を押し返そうとするがまるで動かない。背中を叩きニットのベストが伸びるのも構わずに思い切り引っ張ると、肩に顔を埋めた青桐が、えへへ、と笑った。

「なに、何笑ってんだよ、バカッ! はな、離せってば…!」

「うん」

「うんじゃない!」

「うん」

 嬉しそうに青桐は頷くばかりでまるで離れようとしない。じたばたともがきながら、朔はこれは一体なんだと目眩がした。

「人が来る! 人が来るから…っ」

 うん、と青桐は笑った。すう、と朔の匂いを嗅ぐように深く息を吸い込んでいる。

「うん、朔。俺の名前、覚えててくれてありがとう」

「そ…、そんなの、なんでっ、いいから」

 最初は忘れていたけれど今ではもう頭に刻み込まれている。そんな些細なことで喜んでいる青桐はまるで子供のようだ。

 そういえばさっき、準一と言い合いになっていたときも子供のようだった。

 もしかして青桐は、その容姿とはまるで違う内面を持っているのだろうか。見た目の完璧さに騙されていたけれど、その体の内側にある心は幼いままだ。

 本当に小さな子供のようだ。

 そう思った瞬間、朔の中で凝り固まっていた何かが、ほろりと崩れ落ちた。

(──あ)

 解けていく。

 心を縛っていたものが。

 そうか──子供か。

 青桐の背中に回した手で、そっと体の輪郭に触れる。

 大きな子供のような、美しい人。

 そう思えばよかったのか。

 なんだ。

 しがみついて離れないその背中を、朔はぽんぽん、と叩いた。

「もう、覚えたから、離して」

「うん」

 満足したのか、青桐は素直に頷いた。

 ゆっくり腕を解き、そっと朔の体を確かめるように撫でて体を離していく。触れ合っていた部分の温もりが風に触れたとたん、消えた。

 それが少し寂しいと思った。

 あんなに温かかったのに。

 目が合って、何かを言おうとして、ぐう、と音が鳴った。

 ぐぐう

 ふたりして見下ろしたのは、朔の腹だった。

「あ…、っいや、ごめ」

 恥ずかしさに真っ赤になった朔に、青桐はふふ、と笑った。

「なんか、俺たちも食べに行こっか」

 そう言うなり自然に手を繋ぎ、朔の手を引いて青桐は歩き出した。

 朔はもう抗わなかった。

 その手を準一だと思えば、身構えることもなかった。

 こんな簡単なことでよかったのだ。

 思いひとつ、変えるだけで。

「さくー、なに食べる?」

 振り返って笑う青桐は嬉しそうだ。その姿がなぜか準一と重なって見えて、朔はおかしくなった。手を引かれて歩きながら、少し考える。

 はじめに思いついたものを言ってみた。

「お好み焼き、かな」

「え、あれ野菜じゃ、ん──」

 青桐が目を見開いた。

 振り返ったまま、朔を凝視して足を止めた。

「なに?」

 朔が顔を上げた。

 本人は気づいていないようだったが、朔は笑っていた。

 ああそうか、と微笑んだ。

「野菜駄目だったね。じゃあ、他のにする?」

 自然と笑みを溢して朔はそう言った。風が吹き、笑った朔の髪をふわりと揺らした。その顔を見た青桐が、夜の闇の中で泣きそうになっていたことに、朔は気づかなかった。

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