おもろ本!

Jack Torrance

ジェフリー ディーヴァー『エンプティ チェア』

ジェフリー ディーヴァーのリンカーン ライムシリーズ第3弾『エンプティー チェア』!デンゼル ワシントン、アンジェリーナ ジョリーのW主演で撮影された『ボーン コレクター』は小説は傑作、映画は凡作と扱き下ろされたが原作の方を読んでないので何とも言えない。しかし、映画化するに当たって原作は大分端折られるので強ち嘘ではないだろう。映画は、あたくし的には70点。『ボーン コレクター』を観た感想はお前が犯人だったのかという意外性というよりも拍子抜けといった感じだったので何れ原作を読むつもりで手元にあるが比較してみないと何とも言えない。『エンプティー チェア』を先に読んだのはミステリー本の書評でディーヴァーの著作リストの中でも屈指の最高傑作みたいな書評を目にして先に読んだ。率直な感想。ぶったまげた!もしくは、おったまげた!1億円が入ったブリーフケースを拾った時のような至福の瞬間。ボタ山からエメラルドの原石を発見したような歓喜の瞬間。コロンブスがアメリカ大陸を発見した時も恐らくあたくしが『エンプティー チェア』に巡り遭った瞬間のような感じだったんだろう。あれまー、登場人物がわんさか出てきて彼奴も怪しい、此奴も怪しい、やっぱ彼奴かなってな感じで頭を悩ました挙句にラストまで翻弄されっぱなしで黒幕の目星は付かないのなんの。緻密に張り巡らされた伏線とやっぱり此奴が黒幕なんじゃないのか?って疑心暗鬼に捕らわれ頭の回線を混線させるテクニックに舌を巻く。それで、お前が黒幕かとほくそ笑むのも束の間に終わり二転三転と目まぐるしく話は展開して行く。黒幕をずばり当てた人でもそんな展開待ち受けてんのという驚愕なジェットコースターミステリーに興奮と軽い失禁は致し方無いと諦めの境地にまで叩き込まれる結末なので是非手に取って欲しい。半分くらい読み終えたところから介護用紙おむつ着用で読まれる事をお勧めする!ジェフリー ディーヴァーという才人に脱帽の連続である死ぬまでに読んで欲しい本である。ストーリーは四肢麻痺のライムが脊椎手術の為にノースカロライナ州タナーズコーナーを相棒でありパートナーでもあるアメリア サックスと訪れていた時に発生した事件から話は始まっていく。前2作は舞台はニューヨーク。今回は南部ノースカロライナという設定で土着的な舞台設定も作品に新たな息吹を吹き込んでいる。2人の女性が誘拐された。容疑者は16歳の昆虫オタク少年ギャレット ハンロン。少年が逃げ込んだのは広大な森の中の湿地帯。第2弾『コフィン ダンサー』で活躍した2丁拳銃がトレードマークの刑事の従兄弟の保安官がこの事件を担当しライムに捜査協力を求む。読んで損はさせないおもろ本。今すぐ図書館に走って欲しい!無ければリクエストして蔵書に加えるべき本であるとあたくしは信じる。

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