第6話
一度家に戻る。
少しだけこの世界の広さを垣間見ただけで
俺らはこんなザマだからね。しょうがないね。
そこからは取り敢えず世界に慣れることを始めた。柵の外が
でも、それは日を重ねていくと慣れていった。割り切らなければならなかった。
俺らが誓い合った「自由」のために。
この世界はレベリングの概念があるらしく、
俺はさまざまなスキルを初期に手に入れていたためスキルレベルを上げることを目標にさまざまなことに挑戦していった。
あるときは庭で農業をして農業系のスキルの向上を。あるときはスライムに合気道を使って武道のレベルの向上を。あるときはゴブリンやらに館の剣を使い剣士、短剣使いなど剣術系のレベルの向上を。あるときは周りにたくさんある木材を使い建築系のレベルの向上を。さまざまなことに挑戦していった。
大抵のことは朱音が言っていた通り才能があるのか出来ないものがなかった。
しかし、それは大きな壁にぶつかると躓いてしまい、レベルが上がらなくなっていった。
-大抵のことができても出来ないものもある。
そう、料理だ。どれだけやっても失敗続きで
光さんに頼りっぱなしだった。
彼女はもともとの世界でも料理をしていて、
こちらの世界に来たら料理系?のスキルを身に付けたらしいからとても料理が美味しい。
〜
そんな生活を続け、一年ほどが経った時、
俺の総合レベルは85まで上がっていた。
普通の人は上限が100レベルと教えてくれたので、かなり腕が立つようになってきんじゃないか?俺はスキル「無限の可能性」で、レベル上限がなく、光も「感覚共有」でレベル上限の天井破壊をすることができたようだ。
そういえば、光のことを呼び捨てにしたんだよな。始まりは彼女の方からで、半年ほど前に、
「晃くん…お願いがあるの!」
「どうしたの?光さん。」
「その光"さん"付けをやめてみない…?なんか他人行儀っぽくてねぇ…ダメ?」
(すごい断りづらい…)
今まで学校生活では女友達とどころか男友達すら出来ずみんなに無視されるという奇怪な生活を送っていて人間に対する経験がなかったから女性と話すということのハードルが高いのだ。だから、できることなら断りたかった。
しかし、光さんが上目遣いで、反論は許さないぞと目で訴えかけるように見つめてくる。
それだけで俺は呼び捨て呼びを許可した。その日から俺は光と呼ぶことになり、口調ももっと砕けた感じにすることとなった。
まぁ、一年も同じなのに敬語を使ってるのも不思議な話なのかと納得する。
そんなことを話したら彼女は少し頬を赤くして、残念なものを見る目で俺を見つめる。
(俺、なんかダメだったんかなぁ…)
自信が失われたのだった。
そんなことがあったりしたが、今のところは何も起きず、平和続きであった。
少し変わったところといえば、
俺が少し挑戦をして、リザードマンの亜種「ドラゴンメン」という特異進化と戦ってみた。…が、結果は惨敗。死にかけたけど、その瞬間ドラゴンメンを結界が弾き飛ばして、
光が「慈愛の聖女」の特殊能力で「ヒール」系統を使うことができて、それで回復して生きながらえることができた。
この出来事によって慢心するなんてことがなく、順調に成長を進めていくのであった。
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