お礼肥

 冬の間に施す肥料。


 お礼肥という。


 春に花を咲かせてくれたことに感謝し。

 秋に実りを与えてくれたことに感謝し。



 果樹の根元に、栄養価の高い肥料を施すのだ。


 また来年、花を・・・実りを祈りながら。




 果樹の根元に穴をあけ、肥料となるを穴の奥に投げ入れた。




「来年もよろしくね・・・」


 声をかける。



「花菜・・・寂しくならないように、友達を増やしてあげるからね」


 そして、そのに土をかけて埋めていくのだ。


「うう・・・」


 おや、まだ生きていたのか。

 まあいい、このまま埋めてしまえ。

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