4.「センス」はどうやって見極めるのか?

 ここまではざっくりと「センス」「半センス」「非センス」という用語について説明してきました。


 ややめんどくさい話なのですが、どうしてもこの三つを切り分けないと説明がしにくいので長々と書いてきました。


 で、ここからは「じゃあ、どうしたらいいの?」っていうお話について。この項では、「センスのあるなしってどうやって見極めたらいいの?」ってことについて書いていこうと思います。


 とはいえ、これも「0.はじめに」に書いた通りなのです。そう。ようは「半センス」の部分でどれだけ伸びるのかについて注目するのです。


 例えばニ人の野球素人がいたとしましょう。この二人は日ごろ運動もしないし、運動部に入っていた経験もない。説明しやすいように「全く同じ経験の二人」ということにします。


 そんなことはありえないんですけど、今回は説明のためなので特別です。


 で、この2人に、野球の、例えば内野守備のそれこそ基本の事実確認(バウンドに対して合わせる場合、どこが取りやすいか?とかそれくらいのやつです)だけを教えて、全く同じ回数のノック練習(経験回数)を経たとしましょう。


 この時、片方が異様に伸びが早かったとします。経験者からみても「お、上達が早いね。教えてないのに」って人。この人「センス」がかなり高い可能性があります。


 要は反復練習と言う「センスではどうにもならない部分」は誰がやっても回数は一緒なのですが、その一回一回でたまっていく「経験値」みたいなものが多い人がいるのです。


 レベルアップに千の経験値が必要だとすれば、一人は一回の守備機会で十しかたまらないのに、もう一人は百くらいたまる、みたいな。その「たまる経験値が高い人」は「センスがある」という事になりやすいと思います。


 ここで勘違いしてはいけないのは「じゃあ、もう一人はセンスが無いのか?」っていうと、これはそんなことは無いかもしれないんです。


 話は簡単で、そもそも運動をしてきた経験が無いから「運動をすることそのものの経験値もない」って可能性はあるんです。


 それに加えて、これは投球や打撃の方が顕著ですが、「筋肉が明らかに鍛えられていないヒョロガリ」であれば、「センス」があっても強いスイングは出来ない可能性があります。


 従って、次にするべきはそれらの判断なんです。


 これに関してはアマチュアで出来ることではないので、正直アドバイスするのは難しいと思いますが、一つだけ出来ることがあります。


 それは「黙って見守ること」です。


  要は「伸びなくなるまで待つ」んです。


 基本的に「半センス」の経験値が少ない場合は、その回数で伸びる可能性はあります。


 極端な話、教えようとしている経験者の方が「センス」がないから、ほっといたらその人をあっさり超えてしまう可能性も決して低くはありません。


 だからこそまずは自分自身で「限界にぶち当たる」ことが大事なんじゃないかと思います。


 正直、「センス」を無理やり言語化した「アドバイス」はその後でも遅くありません。


 それこそ、回数をこなして、「運動をする体」になるように鍛えて、体のゆがみがあったら整えて、その上でようやく「センス」絡みの「アドバイス」をするのが一番、効率がいい、と思うのです。

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