ギクッ

 この妹は急になにを言い出しているのかな?

「小春、なにが食べたい?」

「ちょっと待って千尋ちゃん!?急すぎない!?」

「小春が選ばないなら私が決める。」

まさか......

「千尋、最初からそれが狙いでしょ?」

「ギクッ」

「ギクッって自分で言わないの...」

「まぁ小春さんがいいなら僕はいいけど...」

 お姉ちゃんには千尋から説明してもらうけどね。

「えっお邪魔してもいいんですか?」

「僕は全然大丈夫だよ。お姉ちゃんも全然オッケーって言うと思うよ?」

 でもお姉ちゃんも千尋もあんまり友達家に呼んだりしないんだよねー...

だから兄妹なのにあんまり交友関係についてあんまりよく知らないんだよなぁ...

「すいません、お母さんに許可とってきますね?許可降りたら是非お願いします!」

「了解。僕たちも今から姉さんに話してくるから正面玄関で待ち合わせしよっか。」

 僕たちっていうか千尋だけどね。

「はい!わかりました。」

といって小春さんは携帯を取り出して電話をかけながら歩いて行った。

小春さんと話してみたいって思ってたけど、まさかこんなに早く小春さんと話す機会が来るなんて...

「さ、千尋。お姉ちゃんに説明しに行くよ」

「え、私が説明するの?にぃじゃなくて?」

やっぱり...

「最初かろそのつもりだったんでしょ?」

「ちゃんと自分で説明してね?」

千尋はこういうのあんまり得意じゃないからね。少しお灸を据える意味でも頑張ってもらおう。

「ちょっと待ってにぃ私が苦手なの知ってて言ってる。にぃ悪い。」

千尋がほっぺをぷくっと膨らませながらこちらを睨んでくる。

「自分で小春ちゃん誘ったんだから責任は持ってよね。」

そう言われると千尋は何も言えないようで、

「むぅ...仕方ないからがんばる」

と不満げながら言う。

千尋の決意も固まったようだし、


「それじゃお姉ちゃんのところ行こっか。」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る