2本目 海の上で肉を焼く。そして帰る



 やぁ。


 前のエピソードでは途中で中断してすまなかった。

 別に文字数制限のある地球の有名なつぶやきサイトSNSではないのだから(文字数)を気にすることなく最後まで書けば良かったのだが、どうやらこの世界は、よくわからない小説として小説投稿サイトカクヨムで公開されているという設定もあり、概ね一話を二千文字ぐらいで纏めないとこのファンタジー世界全体の魔力すなわちPVが増えないものなのらしい。なので概ね三千文字を越えないように調整しなければならず。やむをえず前のエピソードの最後で俺が(文字数)という強制的な中断魔法を使って中断させてしまった。誠に遺憾だ。これは他人事で言っている。

 話は変わるが、この遺憾という言葉は本当によく分からない言葉だな。実に遺憾だ。


 ところで出だしの「やぁ」という掛け声は、この異世界ファンタジー世界を創りだした地球の日本の中部地方に住むこの世界の創造主が、昔見たとある懐かしい動画作品を最近また目にしてしまった機会があったらしく。その時の動画の出だしをこの作品でもやってみたいと思ったので俺にやらせてみたのだそうだ。誠に遺憾だ。この遺憾という言葉は本当に便利な言葉だな。まさしく忖度だ。それはおいといて。


 創造主というのはぶっちゃけると挫刹のことだ。

 このファンタジー異世界を造りだしたのは何を隠そうカクヨムの一ユーザーでしかない挫刹なのだ。俺は挫刹を知っている。挫刹も俺を知っている。なので俺は海の上を両足で立てるほどの魔力を使える。とうとうこの物語作品の二本目(二話目)で、いきなりネタバラシをしてしまったが何も問題は無いだろう。ここで問題となるのがこの世界の矛盾だ。俺は挫刹を知っているし連絡を取り合える。そしてこの世界の他の人間も地球の情報ことを知っている。では俺以外のこの世界の人間も挫刹の存在を知っているのか? その事について、挫刹は現在、相当に悩んでいるらしい。なので適当に話の設定の整合性が取れなくなってくるかもしれないが、それでも適当に書いていこうと思っているようだ。まったく適当な創造主だ。メタ発言は俺中心でやらせるつもりらしいが。

 こんな感じで今もこのように無駄に文字数だけが加算されていく。無情だ。


 その間も俺は海の上で肉をぐるぐる回して焼いている。まだ生肉だ。命は殺していない。文字数稼ぎだ。許せ。


 この作品ではこうやって突然、情景が切り替わる。黙って付いて来い。ついて来れないヤツらはブラバしろ。ブラバ魔法ならこのカクヨムの読者でも使えるだろう。やったなッ?


 俺はこの世界を創った挫刹を知っているが、55歳のおっさんである俺が挫刹とどうやって連絡を取り合っているのかまで、ここで説明した方がいいのだろうか? いや面倒なのでやっぱりやめておこう。既にここまでで千文字を使っている。俺と挫刹の連絡方法についての詳しい設定は挫刹のほうでも考えているらしいのだが、説明すると話がスゴく長くなってカクヨム読者がムチャクチャ好むストレスフリーでは無くなってしまうので詳しい説明は省きたいそうだ。いつか話す事があるかもしれない。特に俺が山奥の隠家いえに帰ると話す機会が発生するかもしれないという。俺が自分の隠家いえに帰れる日は一体いつになることやら。それはわからないが、そういうプロットを挫刹のほうでは考えているようだ。プロットがあるなら、55歳のおっさんの俺が15歳の女子高生たちとハーレムする話も用意しておいてくれと、しつこくつくづく主張したい。ん? どうやらそれはR18なのでカクヨムでは出来ないようだ。がっでむ。


 仕方ないので俺は海の上で骨付き原始マンガ肉をぐるぐる回して焼き続ける。波の上に空気椅子で座り、ただひたすら骨付き肉を火の上で回して焼き続ける絵面が延々と続いてく。


 たしか前のエピソードでは、俺はハードカバーの本を出したと思ったのだが、既にもう消してしまった。本は挫刹と意思疎通をする時か日本の事情を調べる時ぐらいしか必要の無い娯楽品モノだ。(あれ? 何気に設定を言ってしまったか? まあよい)


 やっと、ここまでで1500文字。さてあと500文字を埋めなければならない。何を書こう。じゃない。書くのは挫刹だ。何を喋ろう。わっしょい。


 そんな事を俺が独りで脳内会話もうそうしている間に前のエピソードで、俺の目の前に突然現れて背中を向けて独り言を始めたドラゴン。この世界で異世界転生を司っているらしいドラゴン。異世界転生トラックドラゴンなるドラゴンが振り向きざまにこちらを見ていることに俺は気が付いた。


 俺は海のド真ん中で堂々とくつろぎながら肉を焼いている状態で、睨んでくるドラゴンとバッチリ目を合わせてしまうという失態を犯す。こわーい。


「……」

「……」


 俺は肉を焼いてる状態のまま少しだけ海面を横滑りして、竜の視線から外れようと懸命にモガく。すると竜も、横滑りして移動する俺の姿をゆっくりと目で追ってきた。

 バ、バカな。俺は姿を消しているというのに(鳥のフンは当たる)、この竜には俺の姿が見えているというのかッ? 万事休す。


 焦る俺はドラゴンと睨み合う事、一瞬。黙って自分の顔に指を差すと、睨みを利かせてくるドラゴンに向かって俺の存在が分かるかの確認を取ろうとする。

 竜は首を傾げた。


「……気のせいだったか」


 セーーーーーフッ。

 どうやら異世界転生トラックドラゴンには俺の姿は見えていないらしい。まったく驚かせやがって。ふふふ。今日は俺の機嫌が良かったからな。今回は見逃してやろう。これは断じて負け惜しみではない。超ビビったが。


 海上に誰もいないことを確認すると青いドラゴンは体色を青から緑色に変えて空へと天高く飛び上がりバッサバッサと何処かへと飛び去ってしまった。恐らく、竜が担当しているクエストにでも出向いたのだろう。ご苦労なことである。


 賑やかなドラゴンが居なくなったので寂しくなった俺は肉を焼くのをやめると急激に沸き上がった唐突な帰巣本能にかられて自分の家に帰ることにした。

 俺は波の上で立ち上がると、焼いていた肉も火も全て消して瞬間移動して帰路につく。


 ちなみにこのエピソードの最後で言っておくと、このファンタジー世界にはスキルなんていう都合のいいモノは存在しない。夢を見るなッ。いい齢こいたオッサン、オバサンどもがッ!(挑発)






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