転生したら、裸族美少女に誘拐され、終末世界に拉致されました。

田中 幸樹

第一章 だから俺は、爺を拉致した。

第1話 お金が欲しいです

 

 覇王が黄金の鎧を纏い、私の前に立つ。



ここは、私の書斎 屋敷の一番奥に位置し もっとも警護の厚い部屋


 だが、目の前に黄金の鎧を身に着けた、巨体の戦士が腕を組んで立っている、その身からは覇気がほとぼしり、ただ いるだけで 私を威圧している。


震えが止まらず、足にも力は入らず 床に尻を落とし ただ 黄金の戦士を見上げる。


齢 92才 一族、一門を束ね率い 世界の支配者の一角に君臨する私が…………、


声も出せずに。 




「あ、これ魔石ですよね? この世界にも有るんだ、ふむふむ」


横から話しかけてくる声。 その言葉には、この場に有るべき緊張感の欠片も無い、だがしかし 言葉は妖艶な声色で紡がれ、耳に届き鼓膜を歓喜に震わせる。


妖艶な声の主は、書斎を物色している。 この書斎は私の宝箱、一族が長い歴史をかけ、金と暴力で集めた宝が大事に保管された 宝箱。


魔力、魔術に関係した宝、一つ一つが多くの血が流れて 集まった 金銭価値では表せない宝、それを無造作に触り手に取り あまり価値を感じないのか手荒に放り投げたりする。


余りの事に、怒りは感じ 霧散する 目の前の戦士の圧によって。


しかし、涙は流れる 悲しいのか 祖先、一族の無念を思ってなのか


「あ、ここに来たのは お金が欲しいからです」


返答を絞り出す


「いくらだ?」


「1万ポンド 出来れば 日本円で100万円くらい  かな」


「は あ…………」


え、桁を間違ってないか…………いや、何かと勘違い


どこかに、間違いが有るはずだ 聞き間違い 勘違い 何だ 何が 


符号か、何かの暗意 啓示か、その意味は………… 記憶を探る 1万ポンドの意味を探して



 そして、書斎のドアが荒々しく開いた


警護の者が、銃を構え突入してきた


そして、先頭で突入してきた警護の者は、頭がはじけ飛んだ。


「あ、ごめん」


後続で突入してきた警護は、瞬時に敵性侵入者と認識する そして、構えた銃は鳴り響く 弾丸は炸裂弾 生かして捕らえるなど 考えない 破壊し殺す、その動作に澱みも躊躇いも無い ただ訓練と同じ動作を実行する。


 銃声は鳴り響いたが、何も起こらない 現象は、現れない


炸裂弾の破壊は発生しない どこにも 


「ナニコレ? ここに来れば、お金 用意してくれるって聞いたんだが…………間違ったのかな?」


硝煙が漂う、血臭が満たす 血が床に広がり命の絵を描く


銃を構えた警護を前にして、静かに妖艶な声で


豊かな金髪の長い髪 紫の瞳 赤い唇の麗人は、拗ねたように呟いた。


突入してきた警護の者達は、 その姿に すぐに心を奪われ 銃を降ろし ただ跪く



  ルシファー



その姿は、我らの信仰の対象 伝説に伝わる身姿 そのもの


「ここじゃ、ゆっくり 話せないし向こうで話そうか」


私の前にやって来た、麗人は手の平を私の顔の前で開いて


「タマ~~!! タマタマ!!」


と、意味の分からない言葉を発した。  そして、私は手の平に吸い込まれた。




 崩れ落ちる、老人を優しく麗人は抱き留めた


そして、床に寝かせる


「死んでないよ、寝てるだけだから 看護よろしく」


そう、警護の者に伝えると 消えた


 巨体の黄金の戦士と共に




 私は、虚ろな意識で考える、


 我が家は、ロンドンから急行で2時間、そしてローカル枝線に乗り換えて1時間の距離にある。 ローカル枝線は、我が家が経営し管理し監視している、勿論 我が家の有る土地に通じる道路は全て監視 そして 我が家に繋がる街は、我が一族、一門の為の街 よそ者がくれば、すぐに警官が職務質問 疑いがあれば すぐに処理 我が一族の街に協力しない者などいない 全ての住民は、一族の戦闘員なのだから


 そして屋敷 いや この地域全域は 我が家の土地 我が家を守る様に広域に最新の電子機器と魔術による監視 警戒網がひかれ、そして撃退用の防衛戦力 近代兵器を武装した兵士 魔術にて戦う戦士達に守られた 我が一族の本拠地 


だが、彼らはいた


いつも通り、書斎で報告をモニターで確認していると、私の後ろからモニターをのぞき込んでいた


「偉い人は難しい仕事してるな、文字はギフトで読めるけど 意味が理解できない………… 俺がバカなだけかな…………どう思う、兄さん」


「うむ」


「え~~、うむ だけじゃ、肯定か否定かわんないよ」


その声で二人を認識した瞬間 存在を感じられた 認識するまで気配も何も感じられ無かったのが 息ずかい 服の擦れる音 そして 巨体の戦士が動くと黄金の鎧が当たり擦れ 黄金が綺麗な音を響かせる


二人の存在が、存在力が そして二人から溢れる魔力が 私に圧を感じさせる



 その後、金銭の要求をされた…………わからない、どう考えても 通常の存在で無い者達の 僅かな金銭の要求


突入してきた護衛の頭が吹き飛んだ、それに続く発砲音


そして、私は…………




 意識が覚醒していく


ベットに寝かされているようだ、


天井は粗末な板天井 ベットは固い そして掛けられたいる布団は手触りの悪い布で作られている。


私を誘拐でもしたのか、滑稽な 愚かな 行為だ。 私に手を出すのは、世界を敵にまわすのと同義 すぐにでも一族に力により、闇から世界を統べる一族の力により 軍が治安部隊が、ここに乗り込み 私に無礼な行為をした者達に死の制裁をあたえるだろう…………


辺りに目をむける


巨漢の戦士が、パンツ一枚でトレーニング励んでいる 綺麗な汗が周囲を濡らしている


そして、ベットの横には、椅子に腰かけた麗人


黄金の髪を肩から前に流し、紫の瞳は 我が家の秘宝 ネクロミコンの原書を瞳が追いかけている 清純で新鮮な血の色を移した唇を 淫靡に濡れた舌が舐めた


不覚にも、見とれ そして 下半身に熱を感じる。


…………下半身 私はもう 齢92才 現役引退して幾星霜 忘れていた感覚が  蘇った


「目を覚ましたようだな、元気か?」


妖艶な声が、私に語りかける 


「ああ」


返事が覚束ない、顔が赤面したのを感じる 熱い 顔が熱い


感情が、感情が沸きおこる


すでに、凍り付いたはずの感情 どれほど凄惨な場面も 残酷な場面でも動かなくなった 心が 感情が 揺れる 溢れ出す


「大丈夫そうだな」


微笑んで、頭を撫でられた


魂が、歓喜した


涙が流れる 


ああ、私の主に栄光の闇が満ちますように


「で、お金の件なんだけど、話せる?」


私の主は、現金な方のようだ


勿論、認めます。 金銭など いくらでも 必要なだけ 例え 世界が買える金額でもご用意いたします、その力もあります。


「はい、いくらでもご希望ください」


わたしは、笑顔でそう答えられた、褒めて欲しい。


「なら、日本円で100万円くらい…………いや、一万円でも いいから貸して欲しい!!」


一万円!! 100ポンド~~~!!


涙が溢れ出した 止められない 私の笑顔は 悲壮な絶望顔に変化しただろう 世界お統べる方、至高の方が 私に100ポンドを貸してくれと 頼んできた その事実に。


路地裏の物乞い 悲しき社会から零れ落ちし者、 神界から追われし主のイメージと重なる。


私はベットの上で立ち上がったしまった。


この世界の不条理に、怒りを 憎しみを覚えて。


天界 冥界 地上の全てを統べる 偉大なる至高の神の不遇 私の主をその至高の座に戻す為に戦いを決意する。


「わっ、いきなり立ち上がるとビックリするよ、もしかして 怒った なら1000円でも………… 久し振りに マッグのハンバーガーが食べたいの お願い」


私の主は、天界 地上の支配でも 至高の座でも無く ハンバーガーを希望された


   私の主に栄光の闇が満ちますように


 祈りを捧げる対象たる私の主は、目の前で困った顔で私を見つめておられた。



*この作品は、どっかのサイトで私がエタッタ作品 お金は大事だよ!! のリメイク作品となります。 ほぼ、構成も文章も変えていますが、設定 内容は同じような物語になる予定です、ラノベの文章を意識書いたのですが、どうでしょうか?


のんびり やって行くつもりですので 更新は不定期です。(一応、一週間に一度は更新予定)


 クライマックスが近づいた、ゴレマス優先!!


因みに、主人公は金髪 紫瞳の麗人です。 この偉い老人は従者として最後まで付き従う方です。


 ☆、ブクマが沢山貰えたら、頑張って更新するかもなので よろしかったら応援お願いします。




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