第14話 二日目の昼休み

 次の日も同じように授業を受け、昨日のメンツ、俺、北条さん、涼、千秋さんと昼食を食べていた。


 「なぁ修今日の放課後遊びに行かないか、北条さんも」

 「えっとー」


 返事に困ってしまった。俺は今北条さんの家にお世話になっている身だ。送迎の車のこととかあるし遊びに行っていいのだろうか。俺としては是非遊びたいが……


 そう思って北条さんの方をチラッとみた。


 その事に気づいた、と言うよりも俺がそう考えるとわかっていたのだろう。

 自分の頼んだ料理(名前はよく分からない)を食べながら言った。


 「行きたいなら行けば。梓には私から話しておいてあげるから」


 え、今の言い方だと北条さんは行かないのか?

 そのことを聞こうと思った時、北条さんが自ら答えを言った。


 「ごめんなさい。本当は行きたいのだけれども今日の放課後は習い事が入っていまして……よかったらまた誘ってきださいね」

 「うん。わかりました。またの機会に」


 嘘だ。


 北条家で暮らしてもうすぐ二週間。今日は火曜日なのだが火曜日に何か用事が入っていたことはない。そもそも北条さんはあまり習い事をやっておらず俺の知っている限りでは日曜日の午前にピアノを習っているだけだ。


 なぜ知っているのかって。いつも通り例の浮御堂で本を読もうと行ったらいつもいるはずの北条さんがいなくて、たまたまあった梓さんに聞いてたのさ。


 まぁそんなことは置いといて、少なくとも北条さんは俺たちのことが嫌いだから行かないと言う事ではないだろう。まだ本格的に学校が始まって二日だが北条さんの美貌、家柄から口説こうとする男もいる。俺も襲われかけた……。頭が良いから勉強を教えてもらおうとする人、単純に仲良くなりたい人、様々な人が北条さんに近づくが全員うまく躱していた。


 なんと言うか必要以上に仲良くならないようにしていたと言うか、仲良くなる事が嫌だと思っているように感じた。


 まぁ今はとりあえずある事を決めなければ!ある事、それは……


 「遊ぶって言ってもどこ行くの?」


 そう、これが聞きたかった!ここはなんと言っても日本の大富豪が集まる学校!しかも涼の家は四大財閥が一つ南雲家!その御曹司が遊ぶところは期待が高まる!ってこれ疲れるな。戻しますわ。


 「うーんそうだな。ちいはどっか行きたい所ある?」

 「うーん。私はぁ涼くんと一緒ならどこでも良いよ♪」

 「おい、いちゃつくなバカップル」


 どんなところでも人目を気にせずいちゃつく二人にバカップルの称号を授けた。


 「あ、そうだ修」

 「なんだ」

 「よかったら俺の家に来てよ。親父に紹介するからさ」

 「あ、そうだね。私も久しぶりにおじさんとおばさんに会いたいし。あと凛にもね♪」

 「凛?」


 初めて聞く名前に誰?と疑問を抱く。


 「ああ、凛は俺の妹だよ」


 なるほど。まぁなんやかんやあって初めて涼たちと遊ぶところは涼の家と言う事になった。


 て言うか、涼の家ってことは四大財閥の家やん。涼のお父さんとも会う事になりそうだし、庶民が家の涼と絡むんじゃないとか言われないかな。

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