第55話行田 満願寺のしだれ桜 その二

55行田 満願寺の枝垂桜  その二


  平成二十年四月二日


行田、満願寺の枝垂れ桜のスケッチが見つかった。


どうやら(48話平成二十一年四月七日)の一年前に出かけたものらしい。


大きなサイズ(75×53)二枚にスケッチしてある。


スケッチしたまま彩色しないでしまい込まれていた。


目につかない所に置いてないと忘れてしまうという


私の性分によるものである。


だから私の周りにはいつでも雑多にいろいろな物が置いてある。


性格が変わらない限り一生、片付かないだろう。


目につく場所に置けないものは、紙に書いておく。


私の頭はいつでもいろいろな物でいっぱいなので


覚えていられない。


色々な事を思いつくためには頭の中に空きを作っておかなければ


いけないのだ。


彩色しなければいけないスケッチがあればスケッチブックを


置くだけでなく、そのページを開いておく必要がある。


この大きな紙にスケッチしたものは広げて置けないので


丸めたままにしてあったが・・・


スケッチを見てマザマザと思い出すものがある。


住職の奥さんが庭に居て話をしたこと(内容は覚えていないが桜の


苗木を植えている話だったかと思う)そしてトイレを借りた事。


樹が倒れ込むように斜めになっていて、その幹の上に青々とした


宿木がチョコンと顔を出して私を眺め降ろしていた。


私が見守っているから大丈夫よでも言いたげに・・・



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