第5話 いや、そんなのダメだよ

「ん? ここは?」

 目覚めて身体を起こすと、そこには豪華絢爛なとても大きな部屋があった。


 上にはシャンデリア。バルコニーもあるようで、そこから外を見てみるとプールの様なものがあった。


「…俺は天国に来たのか…?」


 呟いた瞬間、ガチャリというドアが開いた音が聞こえ、振り返る。


「よかった。起きたみたいだね」

 そこにはあの時の女の人がいた。女の人は近くに置いてあったソファに腰掛け、足を組む。



 プルン



「具合はどう? 君、"チェリー"の前で倒れたんだよ?」


 …あぁ。あの店の名前"チェリー"って言うのか。倒れた事は覚えてる。覚えてるんだけど…。


「私の前で倒れるから、ほっとく訳にもいかなくて私の家に連れてきたの。ごめんね」

 女の人はパチンッ! と手を合わせる。



 プルンッ



 謝る事なんてない。何故なら助けてもらったみたいだし。逆にこっちが謝りたい…けど、



 1つ言わせてくれ。




「なんでパンツしか履いてないの」

 俺は初めて女の人の豊満なおっぱい、絶妙なくびれ、そしてパンティーを見て、鼻血を吹き出す。


 そして倒れていく瞬間、朧げにだが声が聞こえた気がした。




「あー、やばいやばい。いつもの癖がー」

 などと言い、立ち上がり手を挙げて驚いている表情をしているが隠そうともしない。




 いや、なんで隠さんの??

 静かに心の中でツッコミを入れ、俺はまた意識を失った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る