第3話 美音(みおん)の霊、アスカ登場の巻き

こんにちは。アスカです。美音ちゃんの霊です。

あっ怖がらないで。お化けでも幽霊でもないから。

いきなり霊です、なんて言ったら驚くよね。ごめんなさい。

本当なら順番からいうとハッピー君の出番なんだけど、ハッピー君にはもう少し待機してもらって、今回は私の自己紹介をさせてください。


アスカは美音で美音はアスカです。

???って思いますよね。もう少し詳しく言うと、美音は肉でアスカは霊。

えーいきなりーなんの話ー。

あっ読むのやめないでー。も少し聞いてね。大事なことだから。

美音ママとハッピー君のほのぼのせつない愛の物語じゃなかったの?って思ってるよね。違います。(笑) そんな話だったら世の中にごまんとあるじゃないですか。

映画、漫画、小説、ゲーム、etc.

そんな話だけで終始してたらつまらなくないですか。

物語にはアクセントが必要でしょ。そのアクセントに当たるのが、アスカの存在。

って自分で言っちゃってる。ハッピー君からも美音ちゃんからも、もう少し後で出てきてもいいんじゃないかなって言われた。ちょっと強引すぎない?とも。

確かにおっしゃるとおりかもしれない。

フライング気味に登場してきてごめんなさい。あやまります。

でも私の話を少し聞いてみてくださいな。

そういう話なら帰りますっていうそこのあなた。無理にお引き止めは致しません。

でもね、多少の無理をしてでもも聞く価値アリアリよ。約束する。


人間は万物の霊長っていう言葉があるじゃない。

もともとのこの言葉の意味は人間・人類は万物の中で最も霊妙で優れた存在っていう意味だよね。

私が先生って呼んでる方のお話によると、すべてのいきものの中で唯一人間にだけ霊が存在するそうなの。つまり動物には霊が無い。ハッピー君もそう言ってたの覚えているかな。

そして大切なのはここから。

人間の肉体は一度死んだら終わりで二度と再び生き返らない。ただ、その人の霊だけが永遠に存在する。ということ。

なんだかハッピー君と美音ちゃんの話から随分と筋道がそれちゃってごめんね。

でもあとですべてつながってくるから心配しないで。

つまり。美音ちゃんの肉体は死んだら終わり。ごめんね美音ちゃん。でも美音ちゃんの霊であるアスカは永遠に存在する、ということ。どこで存在するのかな?って思うよね。それはね、肉体である美音ちゃんが生きてきたとおりにふさわしい霊界で永遠に生きるの。

だから美音ちゃんの人生が仮に100年だとしたら、その100年をどのように生きてきたのかがとっても大事なんだって。

このお話を聞いたとき、私はとても腑に落ちたのね。

先生はいつも言うの。「時間の価値をわかって大切に使いなさい。」ってね。


私がどんな霊界に行くのか、美音にすべてがかかってる。だから美音と私はいつもコミュニケーションをとって、私が最っ高にいい霊界、天国に行けるように毎日の人生を大切に生きて欲しいと思っているの。

ところが美音を見ていると、ハラハラすることが多いんだよね。

あっそっち行っちゃだめ!とか、そんなことしちゃだめ!とかってよく思う。

何かをしたり、どこかに行く前に私を呼んでくれたら嬉しいんだけど、美音はあまり呼ばない。だから。

この小説をきっかけにして、美音とアスカがひとつになれたらいいなって思ってる。


みなさんも自分の霊に名前をつけて呼んでみたらどうかしら。

あんまりいろいろ話をすると複雑になるから今日はこの辺で。

またお会いしましょう。


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