Voice of cinQ

創世

線・符・調

　その世界（ワンダー）は、双子の女神（ミューとマリネ）によって創られた。

　半球状の優しい円（まる）みを帯びたその世界を、haLth（ハース）と名づけた。

　次に、世界（haLth）を表と裏の２面に分け－

　上は、ポップ（陽星）の元、光影と音に満ちた表側世界（オンダ）。

　下は、ホール（黒星）の元、闇と静寂に満ちた裏側世界（ツナミ）。

　とした。

　次に、世界（haLth）に生命（いのち）を生み、

　表側世界（オンダ）には、定まった姿を持って生まれるリングア。

　裏側世界（ツナミ）には、定まった姿を持たずに生まれるカーラ。

　を住まわせた。

　最後に、世界（haLth）に宿るところで問題が起きた。

　どちらが、音に満ちた世界（オンダ）に宿るかで姉妹で争いが起きてしまった。

　それは壮絶な姉妹喧嘩に発展し、7日間に及ぶ争いの末に表側世界（オンダ）を勝ち取ったのは、妹のマリネの方であった。敗北した姉のミューは結果を受け止め、裏側世界（ツナミ）に宿ることを決め、表側世界（オンダ）から消えた。

　しかし、姉妹の喧嘩の余波により、創られて間もない表側世界（オンダ）は見るも無残な姿に変わり果てており、己の行いを悔やんだマリネは、自らを大樹の姿に変え、世界（オンダ）に宿った。

　創作者の力を宿す"マリネの大樹"から無数の種子が世界に飛び交い、その種子から生まれた樹木がやがて森となり、争いによって生じた爪痕を優しく包んでいった。

　かくして、大樹となった女神マリネが宿る表側世界（オンダ）と、女神ミューが宿る裏側世界（ツナミ）の二面構成の世界"haLth（ハース）"が創られた。