保全占領


 すぐに返電がきました、統合三軍司令部からです。


 ……仮称一番教皇府宇宙要塞の保全占領を命ずる……


「大事になってきたぞ……」


 直後にグレモリイさんからも、


「戦闘サイボーグの研究施設はどんな状態か?」

「頭脳が取り出された少女の首がありました、戦闘サイボーグの身体に移植しようとしていたと考えられます」


「動いてはいないのか?」

「稼働はしていないようです、現在も戦闘中なので、詳細には調べておりません」


「統合三軍司令部からもあったと思うが、保全占領に万全を期せ」

「了解しました」


 ……やれやれ……面倒な事になったな……


「聞いての通りだ、保全占領となると、小型陸戦ロボットをさらに3,000台投入する、製造を始めよ」


 で、30分ほどで3,000台の小型陸戦ロボットがそろうと、次々と友鶴(ともづる)型に移乗、仮称一番教皇府宇宙要塞に増援として、乗り込んだのです。


「引き続き小型陸戦ロボット1,000台製造せよ、私も乗り込む」

「統括人工知能、心配する必要は無い、後方で指揮するだけだ」


 10分で部隊がそろい、ガエネロンが率いて、仮称一番教皇府宇宙要塞に乗り込んだのです。


「慌てることはない、通路のレーザー兵器を潰して確実に先に進め、通路に面する部屋もチェックしろ、確認後は軽くドアを溶接しておけ」


 部隊は徐々に仮称一番教皇府宇宙要塞を制圧、三日もかかりましたが、ついに最後の部屋に敵を追い詰めました。


 グレモリイさんに、戦況を報告しているガエネロンさんに、

「敵は食料も水も尽きているのではないか?」

「そうだと思います」


「敵に情けをかける必要は無い、頭が残っていれば、死体からも情報は取り出せる、殲滅せよ」


 そんな話しをしていると、敵が最後の突撃をしてきました。


「神よ!我らの魂を御許に!」

 小型陸戦ロボットにしがみつき、自爆攻撃のようです。


「やれやれ、全滅したようだな……グレモリイ様、ただいま仮称一番教皇府宇宙要塞を制圧しました」

「そうか、ご苦労、のちほどマレーネ様が調査に来られるようだ」


「マレーネ様が?」


 事実、すぐにマレーネさんが転移してきたのです。


「ご苦労様、すこし調べさせていただきます」


 マレーネさん、ぼーっと立ったまま、

「ふむふむ、なるほど」

 というと、

「ありがとう、終わりました」


 いうなり、かき消えたのです。


 統括人工知能が、

「ガエネロン様、いったい何だったのでしょうか?」

「分らない……」


 この後、統合三軍司令部のイザナミさんより、

「調査は終了した、民間人を保護したのち、仮称一番教皇府宇宙要塞を破壊、消滅せよ」

 という命令があったのです。

   

 この後、リンダウ・ステーションで、アンメイ皇女とグレモリイさんが、なにやら話しをしていたようです。

 その場にイシスさんがいたのは内緒のようです。


 この後、ゴモリー、ガモリー、ゲモリーさんの三名にも分艦隊の編成が命じられたのです。


 『公爵夫人の宝冠』号のミニ・インフェニティ・カーゴは各種のシェルターステーションの量産を始めたのです。

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