私、悪役令嬢にございます!

さいとう みさき

第一話:死んじゃった


 「はぁ、クリアー出来ないなぁ‥‥‥」



 私はスマホの画面を閉じる。

 時間でポイントが溜まる基本無料アプリの乙女ゲームをしている。


 でもこのゲーム、邪魔する意地悪な貴族の女性のせいでなかなかイベントが上手くこなせない。


 ため息をついて横断歩道を渡る。

 こんな雨の日、早い所学校に行って落ち着きたいものだ。



 「と、急がなきゃ‥‥‥」


 もうすぐ横断歩道の色が変わってしまう。

 そう思った時だった。



 きぃいいいいぃぃぃっ!!


 がんっ!



 「ぐはっ!?」



 いきなり大きな衝撃が私を襲う。

 そして目に映る風景は天と地がさかさまになっていた。



 なにこれっ!?




 激痛の中私の意識は消え去るのだった。

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