ごきげんよう、そうか、大妖怪の末裔を名乗るメリットって、人間界とは少しばかり違うんですね。
人間界だと、チンピラさんが「有名な暴力団の一員だ」なんてコケ脅しに使うような、寄らば大樹の陰みたいな使い方がもっぱらだと思うのですが(後は詐欺師?)、大妖怪の場合は受け継がれる能力で実力以上に大きく見せる効果があるんですね。
玉藻御前一族の騙りは放置の方針も、確かにそこらの妖狐さん達が自主的にデコイになってくれているのですから、メリットになりますね。
島崎くんの情報収集活動は、米田さんと知り合いになったことで概ね上手くいっているようですが、このおふたり、会話を辿ると「米田さんは玉藻御前の末裔と騙っている」前提で会話が進んでいるように思えます。結局米田さんは、「京子さん」相手に見栄を張っても仕方がないと思われたのかもしれませんね。
かれど、最後の一文。
島崎くんの「余計なプライド」がいらぬトラブルを引き寄せそうな予感。
島崎くん、そう言うところですよ?
作者からの返信
斑猫です。
そうですね、拙作の妖怪社会では妖怪そのものの実力が重視される事とその実力が遺伝しやすいという特徴がありますね。一般妖怪の中でももちろん頑張って実力を蓄える者も大勢いますが、大妖怪の血縁である事を自称する事で実力があると手軽に見せるという方法も、正攻法ではありませんがあるにはある感じですね。
玉藻御前(というより白銀御前様)の一族が偽者を放置しているのもデコイになってくれるところもありますし、何より他の妖狐たちと闘うのが面倒とか、そういう所もあるでしょう。よくよく考えれば、白銀御前以降のメンバーは半妖やクォーターなので闘うとなると分が悪いのかもしれません。
そしてご指摘の通り、米田さんが玉藻御前の末裔を騙っているという前提は話の流れでありました。上手く表現できずすみません。
まぁ今回も今回でトラブル展開は考えております(ネタバレ)
ですが、その際に島崎君がどう動くのか、彼の余計なプライドが引き金になるのか、どうぞ楽しんでいただければ幸いです。
妖怪の世界では、いくら遺伝で能力を引き継ぐことはあっても、あくまでも自分の力で成り上がるしかないのですね。
人間の世界だと、親がお金持ちだとそのまま子も苦労せず裕福ということもありますが、こちらは多少の能力の差はあれど、実力主義。
また、その能力を使いこなせる頭の良さも上へ上がるポイントとなってきそうですね!
作者からの返信
斑猫です。
いつもコメントありがとうございます。
そうですね。今回は妖怪社会の中に根付く実力主義が垣間見えたかもしれません。妖怪たちは長生きなので、名のある妖怪の子孫たちも数多くいるのかもしれません。中には、縁もゆかりもなくても名を騙る者も登場する感じですね。
とはいえ「偽者たち」も実力やほかのライバルと差がつく何かが無ければいけませんし、それはそれで熾烈でしょう。
後々のお話で、自称・玉藻御前の末裔たちがどう暮らしているか、「本物」である島崎君をどう思っているかについても触れると思います。
妖怪たちがのし上がるには、やはり頭の良さ・心の強さも大切だと切実に思います。