オカルト部

「ここが私が入っているオカルト部よ」

「へぇー」

「あなたの存在がオカルトみたいなもんだし、向いているかもよ?」

「まぁ、そうだね」

 私は先生に頼まれたこともあって蓮に部活の紹介をしていた。

「んー、なんかいろんな部活見るの面倒だし、ここに入部しようかな?玲香もいることだし」

「あら?誰?その子」

 私達の後ろから女性の声をかけられる。

「あ、はじめまして。佐藤 蓮です」

 蓮はくるりと後ろを振り返り、礼儀正しくお辞儀をする。

「あら、どうも。はじめまして。オカルト部部長の皐月 加恋よ。入部希望者かしら?」

「えぇ、そうです」

「あら、そうなの。……あら?」

 蓮に少し遅れて部長の方を向いた私を見て部長が驚きの声をあげる。

「玲香ちゃんが誰かと一緒にいるなんて珍しいわね」

「いえ、蓮は転校生でして。彼の案内を私が先生に頼まれただけです」

「あっれぇー?もしかして玲香ぼっちなの?」

 蓮がにやにやと私の方を見る。

「うっさい!」

 私は蓮の頭を叩き、黙らせる。

「……本当に、珍しいわね」

 私達のやり取りを見ていた部長が驚きの表情を浮かべる。

「うっ……」

 何故か私は気恥ずかしさを覚え、顔をそむける。

「あ、この部活に入部するための条件とかってありますか?まだ何も聞いていなくて」

「あら、そうなの。えっとね。この部活の活動日は特に決まってなくて、基本自由。玲香ちゃんはたまにしか顔を出さないけど、他の子達はだいたい居るわね。ここで勉強している子なんかもいるわ。部員数は4人で。女子3人。男子一人。私が三年生で、玲香ちゃんが知っての通り一年生。他二人は二年生よ。他の二人もそろそろ来るはずだけど……」

「ちっわーす」

「こんにちは」

 そんな話をしていると、二人が部室にやってくる。

「あら、来たわね。今日はね。入部希望者がいるから、みんなでまずは自己紹介をしましょう」

 部長はそう言ったあと、部室の端に置かれている机と椅子をみんなの分の机と椅子が置かれている中央に持ってくる。

 その後、自分の椅子に座る。

 私達は自分の椅子に座り、蓮も今足してもらった椅子に座る。

「じゃあ、まずは私から。さっきも言ったけど、私は部長の皐月 加恋。三年生よ。よろしく」

「じゃあ、次は自分すっか。ちわーっす。俺は加藤 守っす。よろしく!」

「私はさっきのバカと同じ二年生の安藤 雲母よ。よろしくお願いするわ」

「ちょ!バカってなんすか。バカって」

 バカ扱いされた守先輩が憤りの声をあげる。

「あら?バカでしょう?あなた」

「なんすか!」

「ふたりとも夫婦漫才を始めないで。まだ入部希望者の子の自己紹介ができてないわ。夫婦漫才はあとにして頂戴」

「「誰が夫婦よ(っす)!」」

「ふふふ」

 息ピッタリの二人を見て蓮が嘘くさい笑い声をあげる。

「どうも。はじめまして。一年生の佐藤 蓮って言います。よろしくおねがいします」

 蓮は三人にぺこりとキレイなお辞儀をする。

「ところで先輩たち。少しいいですか?」

「あら?何かしら」

「自分。最高に面白いオカルト的な神秘的な現象を知っているんですよ」

「あららら?何かしら!」

 オカルト大好きな部長が期待を込めて蓮を見る。

 蓮はその期待に答えるように口を開く。

「僕、不老不死なんですよ。実は」

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