3.お暇なんですか?

あぁ今年もやって来ました。

社交シーズン!

ぱんぱかぱーん。わぁ~。あぁ………


以前まではここまで嫌ではありませんでした。

でも何故か殿下と婚約してから……

私が出席する会には婚約者なのだから絶対出ると…

更に私も殿下が出席するものには出るようにと…

それがどんなに辛いことか!

殿下の前では嫌な女性を演じなくてはならなくて、でも社交の場でティファニー家の悪い噂など立てるわけにもいきません。

板挟みなんです。

とてつもなく疲れるんです。

そもそも第1王子ですよね?!

ご公務等ありますよね?!

忙しいんじゃありませんの?!



***



「レーヴィ殿下、シャルロット様お久しぶりでございます。お2人のダンスはやはり素晴らしいものですね。シャルロット様よろしければ私とも踊っていただけませんか?」

「お久しぶりです。ハーバート様。シャルロットは…」

「んっん!お久しぶりですわハーバート様。是非お願い致しますわ。」


殿下から離れるチャンスです!

ありがとうございますハーバート様!

私が離れた途端に殿下は見る目麗しい令嬢方に“ダンスのお誘いを!”と囲まれました。

ほら!選り取り見取りで両手に花!

私近くにいない方がいいんじゃないですか?



ダンスから戻ると殿下は何故か不満そうで今にも文句でも言ってきそうな顔をされています。

令嬢に囲まれて疲れたんですか?


「あら?お疲れですか殿下?」

「疲れたと言うよりも不満が大きいかな?」

「まぁ!あれだけ見る目麗しい令嬢に囲まれて不満とは…私が近くにいるとその不満は大きくなるのではなくて?そもそもお忙しいはず・・の殿下が私の主席するパーティー全て出るなどひま…失礼。時間が足りているのですか?」

「あなたが離れると不満が大きくなるんだけどね。それからあなたが出席するものが多いからとても忙しいよ。」

「あら?私だって社交くらいはまともに出来ましてよ?それに公爵令嬢としてこのような場に出席する必要性がありますからね。」

「そうですね。あなたはそういう人だもんね。自分の立場を理解してこの数に出席しながら仕事をこなすのはさすがだね。」

「勝手に納得されるのは結構ですが不服に思うのでやめて頂きたいですわね。殿下よりお褒めの言葉を頂けるなんて光栄ですわね。」


ここで嘲笑うかのように!悪そうな!性格悪そうな表情をするのがポイントです!

近くに誰もいらっしゃらないのは確認済みです!

正直自分が殿下だったらこんな女性とは絶対結婚したくないです。

なのでさっさと破棄してください!

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