【FGA:15】レオリオラ王国親衛隊
「カ、カイシュ……あ〜なんだ。違うんだぞ? 決して僕はお前に無断で城を出た訳じゃないぞ? ほ、ほら
そう慌てながら必死に弁明するレオンを尻目に──
"カイシュ"と名乗った──レオリオラ王国親衛隊隊長"カイシュ・スティブル・ホットスパーズ"は
その光景を見て周りの民衆も「これはまたいつものパターンか」とそれぞれ不平不満を口にすれど、蜘蛛の子を散らすようにそそくさと日々の日常へと戻っていく。
「おい待てよ……そこのキザやろう」
ガシャガシャと重い音に似合わず軽快な歩速で王子を連れてくカイシュに
カイシュは突如背にかけられた暴言に肩を"ぴくり"と持ち上げると今度はゆったりとした動作で振り向いた。その目には先ほどの呆れた感情の宿った目ではなく鋭い──怒りの感情が読み取れる目をしていた。
だが
「いきなりそんな重そうなヨロイぶら下げてオレにぶつかっときながら……楽し──くはなかったが、オレとそこの
そう
まさに一触即発の場面。
「しょ、勝負と言っても……恥ずかしい事だが僕はお前から一点も取れてないし、僕の敗けでいいからケンカはやめてくれ……!」
今にもお互い爆発しそうな2人の間に挟まれている小動物しかりレオン王子は必死に鎮火させようと
「……分かった。では勝負の残りは私が相手をするという事で良いか?」
ここまで挑発されたのならば、とカイシュは鎧を"がしゃがしゃ"と大きく鳴らしながらその一つ一つを脱ぎ捨てていく。すると瞬く間に筋肉が大きく張った──しかし余計なものは付いておらず常に
あの重そうで煌びやかな鉄の鎧を身に纏いながらも──軽快な動きが出来る理由としては充分すぎるほどの身体に思わず
(やっぱりこの人……"
ふわりふわりと浮かびながら静かに様子を見ていた
「分かった。その話、飲んでやる──オレにケンカ売ったこと後悔しても遅いぜ」
それだけ言うと
カイシュは依然として変わらぬ鋭い目つきで一連の
スタン、スタン、スタン。
その音は下が石畳だとは思えないほど軽い音で──カイシュのその
一定で正しいタイミングで突かれるその正確さと──同時に現れる軽い音の不気味さが
(
彼はその
事実。
理由は至極単純。他にも様々な理由はあれど早い話相手に
故に。
恐らく彼が"
(しかも"突くのが軽いだけ"じゃない──
刹那、
「ア、亜蓮くん! 気を付けて!
と、
刹那。
(────‼︎‼︎ やっべェ!! やられた!!)
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