第35話 最悪の再開

「さて、じゃあ出すぞ」


九郎は車に乗り込むとエンジンをかけると。


「こんにちは」


「っ!?」


窓から挨拶をする人物が。


「誰だ」


「ナイフってコードネームで通ってる」


「「…」」


「そこの二人の元上司だ」


「ほほう…」


「さて、降りてもらおうか」


「なぜだ?」


「確認をしたいんでな」


「何のだ?」


「そんなことはどうでもいい」


「そうか…」


九郎は拳を突き出し。


「断る」


中指を立て、アクセルを踏み込んだ。





「よし、ずらかるぞ〜」


「じいちゃん何してんの!?」


「まさかナイフさんに中指立てるなんて…」


「向こうが悪いんだ、俺は悪くねぇ」


「いや、向こうは何もしてませんでしたよね?」


「シズ、暁、二人はエントランスにあった水晶を覚えてるか?」


「あ〜、あの綺麗な水晶ですか?」


「あれは生物兵器だ」


「もしかして…その水晶」


「そ、触れたら最後結晶に取り込まれて死ぬ」


「なんて物を置いてるんだ…」


「待ってください、僕がリングにいた頃にはそんな物はありませんでしたよ」


「となると入手したのはつい最近って訳か」


「でもそんな代物をどこで…」


「それは奴らに聞くしかねぇだろ」







Actor 司令室


「と、かなりの危険物がエントランスにありました」


「生物兵器…か、というか九郎さんはどこだ?」


「「「「あれ?」」」」


司令室に入った時にはいた九郎が居なくなっていた。


「すまんすまんヤボ用で出かけてた」


が窓から帰還した。


「なんで窓?」


「よっこいしょ、これを盗ってきた」


司令室の机にとある物体を置いた。


「これが件の生物兵器か」


「もしかして一瞬でリングの本部に?」


「そうだが?」


「おかしいですよ!?ここから車で1時間以上は掛かるのに」


「アーツで行けばすぐだがな」


「それでも…」


「上空3000メートルを亜音速で飛行した、ソニックブームに気をつけながらな」


なんと九郎はたった5分でActorとリングを行き来していた。


「それとこれも」


「なにこれ?刀?」


「陽炎にプレゼントだ 」


「俺に?」


「神崎家の家宝の一つ『宝刀 不知火しらぬい』」


「不知火…」


不知火の刀身は他の刀と比べ少し長く、そして紅い。


「それまたなんでこれを?」


「なんか結晶と一緒に飾ってあった」


「そうだったのか」


「ま、それは今使ってるブレードの予備だと思ってくれ」


「装甲は斬れるのか?」


「もちろん、試してみるか?」






訓練場


「本当に切れるんですか?」


ベルは不安そうに切れるか聞いた。


「ほれ、これを切ってみろ」


「これって…」


そこには厚さ30センチほどの鉄板が…いや鉄の物体が置いてあった。


「ほら、ズバッと」


「はぁ…」


ローズは不知火を構え、一文字斬りで鉄の物体に向かって刃を振るった。


「「「「「「え?」」」」」」


なんと鉄の物体は真っ二つに両断されていた。


「ほら、いい切れ味してるだろ?」


「嘘でしょ…」


「そりゃあこの刀は…おっとこれは秘密だった」


「何があるんだよ…」


「ま、これからはこれを使ってみるといい」


ローズはトンデモ武器を手に入れた。

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