さん たいようとよくそう

さん。

たいように焼かれた 焦げるなかにわ

どぼ。

よくそうにおぼれた 溶けるくうき

さん。

たいように首を垂れ たいようが白を眩ます

どぼ。

よくそうで首を下げ よくそうが白を吸い込む


さん、さん。どぼ、どぼ。

焦げても、溶けても、眩んでも、吸い込んでも

太陽も浴槽もなにかを消化し続ける


焼かれよ、これは自我であるぞ

眩ましたから浴槽に溶けながら太陽に焼かれる

わたしの自我はそのどちらにもない


砕けろ 焼かれたのだから 砕けろ

流れろ 抜かれたのだから 流れろ


ただ声だけが太陽と浴槽を反射し続けた

目は光で眩み 息は浴槽から流れた


さん。さん。

夏の暑い最中に窒息していた

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