第二話

 俺はベッドで横になりながら……。


「うらら……」

「ん?」


 そして、俺はうららの手を握り言った。


「絶対に、助ける」と。


 ? とポカンとしているうらら。


 やべ……つい言っちまった。


「何言ってんの? 漫画の見過ぎ……」と天使のような笑顔で笑っているうらら。


 やっぱり、うららは可愛いなぁ……。

 そんなうららを……………翔太……早く、お前の彼女を奪いたいよ。

 なぁ、翔太? お前はどんな顔をする?

 楽しみだ……。


「ははは、ごめんよ。何でもない。いやぁ〜、漫画の見過ぎだなこりゃ〜」と俺は作り笑いをして笑った。


 その様子に合わすようにうららも「ははは」と笑ってくれた。


「ねぇ、耕平くん?」

「なに?」

「もう一回しよ……」



「おはよ……翔太……」

「おう! おはよ……」


 そう言うと、俺は席に着く。

 翔太とは席が近い。

 そのため、いつも翔太には挨拶をしている。

 

 いつもと同じ接し方……いつもと同じようにするのは、何故だか、いつもより難しい。

 それもそうだ、なんせ、目の前には俺が殺したいほど憎む人間がいるからだ。

 

 絶対にお前の彼女を奪う……。


 気づけば、そんなことしか考えられなくなっていた。

 どれも全部、翔太……お前が悪いんだよ。


「なぁ、翔太?」

「ん? どうしたよ。耕平?」

「あのさ、春川さんとはもう……したか?」


 俺がそう言うと、翔太は頬を赤く染め。


「ば、ばかやろ!! お前……」と恥ずかしがる翔太。


 いつもなら、平気な顔するはずなのに……どうしてだ?


「何そんなに恥ずかしがってんだよ?」

「はぁ……くそ……わかったよ。お前は親友だしな……」


 翔太は俺の耳元で。


「それがよ……まだ、ヤれてねーんだよ……」


 その言葉を聞いた瞬間、俺の頬はニヤリとなってしまった。

 

 ポーカーフェイスだ……。

 抑えろ……。


「まじかよ……すぐにヤるお前が……まだって……もう、三日経つぞ?」

「いや、彼女と三日でするのは流石にな……と言うか、最近、性欲がないんだよ」


 うららとしてか?

 そうだろうな……でもな? うららは俺のものなんだよ。

 お前のものには絶対にさせない。


「精力剤でも飲んで頑張れよ!!」

「いや、これでも毎日『飲め』ってに言われて飲んでるんだよ……でも、な……?」

「そ、そうか。頑張れよ!!」


 そう言うと俺は翔太の肩をポンと叩き、席を立ち上がった。


「ん? どこか行くのか?」

「ちょっと、トイレにな……」

「シコんのか?」

「なんでそうなるんだよ……」と俺は笑いながら、教室を出た。


 そして、教室を出たと同時に無表情になり、トイレに向かい、トイレに行き俺は……。


「ハハハハッ、まだしてねーのかよ……つまり、桜さんはまだ処女かもしれないのか…………じゃぁ、翔太……お前の彼女の初めて俺が奪っていいってことだよな!?」


 そう思うと笑いが止まらなかった。


 一番、最高の形で復讐が出来るからだ。

 こんなの、お前にとっては地獄そのものだよな!?

 親友が彼女の初めてってよ……。

 でもな……。


「でもな!! お前はその気持ちを知る必要があるんだよ……だからな? 楽しみにしておけよ……」


 さてと……あとは春川さんと接点か……。



 え…………。


 教室に帰ってくると……。


「お、帰ってきた……」


 俺の席にはうららが座っていた。


「うらら先輩がお前に用事だってよ……」

「耕平くん」


 嘘だ……絶対に親友に呼ばれたんだ。


「うらら、何?」

「顔が見たくて……」


 そう恥ずかしながら言っているのが、顔を赤くしているところから読める。


「そう、そう言ってくれると嬉しいな……」

「ふふ、ありがと!! じゃぁ!!」


 俺は強く拳を握り、なんとか感情を顔に出さないようにした。


 ごめん……うらら……待っててくれよ……。


 そして、うららは翔太の横を通り去っていった。


「(今日も放課後……ね。今日はくたばるな)」


「ん? 翔太、どうした? 下向いてよ」

「いや、なんでもない……」

「そっか、それよりさ。春川さんとまだしてないんだろ? ならさ、俺が手伝ってやるよ……」


 

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