第四十四回 夜が更けるように。


 ――物思いに耽る。窓から見える景色も、お星様飾る夜のお空。



 たまには戦士の休日。しっかりとパジャマに身を包む。……プライベートの最中に、明日はクラブもお休みだ。PCを起動、とあるサイトに繋ぐ、小説サイトの書くと読む。



 そこには千佳ちか先輩が、毎日更新に挑戦を続けている『ウメチカ』というエッセイが、今宵もまた更新されていた。ならば僕も負けないと、僕のエッセイを執筆する。


 やっぱり執筆は、夜に行われる。


 夜が更けるように、今日あった出来事をしたためる。それは人の性? 何かに残したいと思う、自身が存在したという証、その足跡を。かつてはポエムという形で。


 そして今はエッセイへと、その形を変えている。

 絵では表現できない部分、その形を補うために。


 以前には考えられなかった自分の将来を、考える機会が増えたの。


 ……ううん、以前は逃げていたの。自由のない身体に、儚い命と思っていたから。だからこそ少しでもネガティブになろうと、意地を張っていた。


 でも今はどうかな?


 意地を張らなくても、頑張れるような気がするの。僕にパートナーができてから。


 段々、素顔が現れる。というよりも、初めてその素顔に、出会えたような気がしてならないの。日々驚きの連続で……まるで魔法使いみたいなの、君は。


 とうとう脳から離れなくなった君のこと。一緒にアトリエにいるとき以外も、一緒にアクリル絵を描いているとき以外も、どうしても浮かび、何でか胸のここが……


 なら千佳先輩は、やはり先輩だ。


 僕よりも前に、きっと同じ症状になったのだと思う。……多分そうだと思うの。明日あたり質問しても、きっと御邪魔じゃないよね? ちょうど夏休みの宿題に奮闘しているようだし、可愛い後輩からの出題ということで。「といや!」と解いてほしいの。



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