23話 来週にでもゴー?

「隅田さん、これからは自分で決めていいから……」

「は?」

 お昼ご飯を食べているときにドクターが顔を出し、こう言った。

 場所は食堂だ。

「じゃ」

 

 私が苦手とすることがある。

 自分で決めることだ。

 ある程度決まったルールがあるのならば平気なのだが、自分で決断したりすることが私は嫌いだった。


 今日は職場から電話がかかってくる予定だが、一向にかかってこない。

 午後になり職場に電話をかける。

 事情を話すと担当の佐藤さんはこう言った。

――それ、金曜日

 やっちまった……

 それから、言っちまった。

「私、来週からでも大丈夫です‼」


 なんだろうなぁ、この人の顔色に合わせて都合のいいことを言う癖……

 まあ、私が頑張ればいいだけの話だけどね(これが休職したわけなのに)。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る