休職します!日記 (なったら7月いっぱいまで)

隅田 天美

プロローグ 「隅田さん、休職です」とドクターは言った

 昨日の話だ。

 昼食を食べ、「さて、午後の仕事だ」と思ってロッカーを開けた矢先、涙が出て左腕を何度もひっかいた。

「???????????????」

 周りが騒ぐ。

「大丈夫!?」

「どうしたの!?」

 それ、私が聞きたい。

 ただただ、涙と嗚咽が出て腕には何個も鈍傷が出来た。

――ヤバい

 私はすぐにスタッフのところに行ってこう言った。

 それが、限界だった。

「すいません、午後の仕事を抜けさせてください」

 ただならぬことに彼らも察したのだろう。

 私は救護室に入れられた。

 涙が止まらない。

 ひっかくことが止められない。

 心が訳もなく叫ぶ。

「明日、病院に行きなさい」

 スタッフに勧められたとき、私の腕と心は血まみれだった。


 そして、今日。

 私のかかりつけの医者が待合室で待っている私を呼んだ。

「失礼します」

「どうぞー」

 いつもの会話だ。

 普段は座ってくだらない雑談と予定を入れるのだが、今回違った。

「隅田さん、結論から言うね。七月いっぱい、休みなさい」

「は?」

 自分でもかなり間抜けた声が出た。

 自分の予想ではこうであった。

――あー、隅田さん。薬の量をもう少し増やしましょう。無理しないでね

――ありがとうございます

 突然の休職命令戦線離脱に私は呆然とし呆然としたまま受診料を払い愛車に乗った。

 とりあえず、スマートフォンを出して会社に連絡を入れた。

「はい、佐藤(仮名)です」

 スタッフが出た。

「隅田です。ご多忙中のところすいません」

「どうだった?」

 私は数秒言い淀んだ。


 私は仕事が好きだ。

 親も共働きだし、今の職場が好きだ。

 色々な言葉が出た。

 昔の私なら混乱していただろう。

 ただ、私には秘書検定準一級を受験した経験が役に立った。


「申し訳ありません。先ほど医師のほうからドクターストップがかかりました」

「え?」

 私は事の経緯を語った。

 それから、こう付け加えた。

「正直、申し上げて私も数分前に言われて混乱しております。明日、出社いたしまして今後のお話をしたのでお時間を頂きたいのですがよろしいでしょうか?」


 親などにも言った。

 親のコメントは「だったら、家の掃除をしろ」だった。


 今、こうして書いている私自身、未だに信じられない。

 ただ、同じことが起こらないように戒めとあなたの教訓として書いておきたいことがある。

 私は『突然』泣き出したが、実は予兆が少しあった。

 音や人の表情に敏感になり精神が不安定になり心が締め付けられる痛みがあり、それが「当たり前」として私の中で処理されていたということだ。

――こんなの普通の人が当たり前に耐えていることだ

――ここで頑張れないで何処で頑張る!?


 さて、明日どうなるかな?

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