07話 新たな出会い



結果だけ見れば強い仲間が出来た事は喜ぶべきだろう。その後ドランに俺たちの目的を伝えた。


そこからはドランが俺の事を神と崇めてくるので苦労した。


仲良くではないがカノンやシズネとも会話をしていたので一安心だ。

俺も会話に入りドランに問いかけた。


「ドランはどうやって戦うんだ?」


返ってきたのは素手で戦うだった、竜だから体が固いのだと言っているが何かあると不味いのでドランにも武器を作る事にした。


ドランは最初恐縮していたがレイカ達も作って貰ったと知ったら目の色を変えて頼み込んできた。

いやーそこまで必死にならなくても・・・なぜか俺の眷属は張り合う事が多い。

どんな武器がいいか聞くと、リーチがある武器が良いらしい。


それならイメージは“槍”と“竜”にしよう。

イメージし武器を創造をする。


黒竜槍こくりゅうそう 神話級(ゴッズ) 時属性』

漆黒の槍が誕生した。


そのままドランに渡すと物凄く感謝された。

ドランは武器を手にしながら『これは神器です』とか言ってる。


いや・・俺は神様じゃないから神器は作れないだろう・・・まあ凄い武器には変わりないが。


ドランは嬉しそうに武器を受けとると、試し斬りと言って近くの木に槍を一閃させた。

いやいや・・槍なんだから切れないだろうと思っていると豪快に木が倒れる。

切り口は刃物で切ったようになっている。

なるほど。自分の魔力を槍に纏わせたのか・・・凄いな。


3人娘たちもドランと打ち解けて、武器について、あーじゃないこーじゃない言いながら盛り上がっている。


「よしそろそろ先に進もうか?」


「それなのですがアデル様。私に乗っていけば目的地まですぐに着けるかと愚考致します。」


ドランが気を使って提案してくれたが、目的地に急ぐ訳でもないし仲間を増やす目的の為には歩くのが良いだろう。そもそも急ぐだけなら飛行術で飛んでいけば良いのだ。魔力を消費するが進化したみんなや俺からすれば全く問題にならない。


「有難いが歩いて進む事にするよ。」

ドランにも理由を話し先に進む。


森を進んでいるのだがかなり暇だ。

たまに魔物が襲ってきても3人娘が瞬殺してしまう。


そうこうして森の中をさらに5時間ほど進むとひらけた場所にでた。かなり広い。


そろそろ日が暮れるという事もありこの場所で野営をする事にした。

魔法で火を出しその周りを囲みながら途中で取った果物などを食べる。


「正直食事をする必要はないけど、何か食べると安心するなぁ」

俺が元日本人だからか食べる必要がないこの体でも食にはこだわりがあった。


「そうですね。ついこの間までは食べる為に生きていましたし。」

レイカは未だに戸惑いがあるみたいだ。

他の3人も俺たちと同じ筈なんだが、既に慣れたみたいだな。


仲間を集めたら、ありとあらゆる方法を使ってでも前世の世界の食べ物を再現しようと誓ったのである。


その夜はみんなと色々話した。後少しで海に出るみたいだ。


海の近くには人魚族と呼ばれる種族が住んでいるらしい。

あまり人前に現れる種族ではないらしいんだが。会えたら是非とも仲間に加えたいと思わせる種族だ。

そうでなくともこの先町や国を作るなら海を知るものは必要だ。


「よし行こうか」

よく寝れたとは言えないが体が強くなったおかげで元気いっぱいだ。

カノンだけはまだ眠いのか「ふぁーい」と言ってる。

微笑ましく見ていると怒られた。大分みんなとも打ち解けてきたって事か。


3時間ほど歩くと磯の香りがしてきた。


おっ!なんか懐かしいな。前世でも子供以来行って無かったからな。

カノンとシズネはあまり海が好きじゃないらしく二人揃って「「クサイ(です)」」と言ってしかめっ面をしている。


やっぱ狼と狐だから鼻がいいのかな?なんて考えていると・・・

前方に大きな水しぶきが上がる。

それと同時にドーンと大きな音が響き渡る。


「何だ今のは・・・」

俺が状況を聞くとドランが答える。


「どうやら海で戦闘が起こっているようです」


魔力感知を行うと100を超える反応がある。

そのうち3つは昔のドランよりは小さいが、大きな力を感じる!

俺たちは急いで浜辺に向かう。


「これは・・・」


人の上半身と魚の下半身・・・これが人魚族か・・・


人魚族が巨大な魔物と戦っていた、数は100近くはいるが相手に攻撃はほとんど効いてはいない。しかも3匹だ。

あの魔物はサーペントといって海にいる魔物の中ではかなり高位の部類らしい。体長7メートル程で、竜の顔と蛇の体をくっつけた様な魔物だ。

人魚族も抵抗はしているがこのままでは犠牲者が出るだろう。


俺は急いで指示を出す。


「シズネとカノンは左を頼む。ドランとレイカは右を。俺は正面をやる。お前達なら大丈夫だと思うが無理はしないでくれ」


俺の指示にみんなが頷く、飛行術を使い海上まで進みサーペントと対峙する。


俺は正面のサーペントと向き合う。


強いと思うが油断しなければ問題はない相手だ。

神創宝剣を取り出し構えると、サーペントが咆哮をあげる。


「ブウォォー」


そのままサーペントが口から水のブレスを浴びせてくるが余裕を持って左に交わす。尾ひれを振って攻撃もしてくるが当たらなければ怖くはない。

そのままサーペントに近づき剣に魔力を込めて一閃させるとサーペントの首が綺麗に切断される。


「よし終わったな!みんなは・・・」


心配する必要は無かったな・・・


まずカノンとシズネだが、カノンが雷魔法でサーペントの動きを止めるとシズネが炎を纏う刀を一閃し、首を落とした。


レイカとドランだが、こちらはドランが手を出さずに終わっていた。

レイカが自身をスキルで高速化させ一瞬でサーペントに近づき頭に剣を突き刺し絶命させている。

見た目に反しレイカは過激だ・・・


みんな力が上がってから戦う機会がなかったので嬉しそうに戦っていた。


「みんなお疲れ様。怪我はないか?」


「「「「問題ないです(御座いません)」」」」

でしょうね。聞いただけです。


そんな事を思っていると背後から声が掛かった。

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