おいらの転生(切り抜き)

つじは

第1話 転生…転生ってなんすか?

「ゆえに、この異世界はお主がいた世界の写像であるからして……」

「写像? 写像ってなんすか」

 おいらの質問に、王は呆れた顔を見せる。

「だめだこりゃ」

 それは人呼んだ人に対して失礼ではないだろうか。

「あなたがおいらを魔法でここに連れてきたと。あの……なんだろう、嘘つくのやめてもらっていいすか」

「嘘ではない」

「なんかそういうデータあるんですか?」

「……」

「気づいたらここにいた自分に驚いたんだよね」


「私が呼んだのです」


「えっと……だれですかね」

「私はこのキリヌキ地方の姫。あなたを連れてくるよう父である王に依頼をしました」

「なるほど、あなたがこの王国を治めてますと。若いのにそれは有能ですね。でもすみません、ぼくあなたのことそんなに可愛いとは思わないんですよね。でも化粧とか〜笑顔とか〜振る舞いとかで可愛いように見せてますと。で、売り方がうまいよねーってのがあって」

「おやめなさい」

「その点では王様もそうですよね。ぼくの知り合いに死んだ魚の目をしたデブな……」

「聞いてください」

「はい、すみませんw」

「あなたには、魔王討伐の役目を担っていだきます。魔王を倒せるのは、勇者しかいません」

「それってあなたの感想ですよね?」

「いいえ、古い文献には……」

「歴史を学ぶのって、僕不要だと思うんですよね。であれば、数学とか物理のほうが、のちのち使えるよねーっていうのがあって……はい、ごめんなさいw」

「もうなんでもいいから倒してください」

「それってリモート討伐でもよくないすか? おいら今フランスに住んでて動きたくないよねというのがあってw 直接行くのって無駄だしリスクもあると思うんですけど」

「リモート……? それは何でしょうか」

「やっぱりまだ先進国と格差ありますねw」


* * *


どうすれば勇者になってくれますか、じゃんけんぽん


つづく(?)

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