第10話 お泊まり 後編

 上から見下ろされて妖艶に微笑む茉桜を下から見るのは嫌じゃない。垂れ下がった髪がウチの顔を撫でるように当たってくるのも嫌じゃない。これから色々されると思うと喜んでしまっている。


「んっ..!」


 茉桜の手がパンツ越しにウチの恥ずかしい所を優しく触ってきた。


「あら、もう濡れてるのね」


「う、うるさぃ!」


 分かってる、そんな事はウチが一番分かってんねん。


 こんな状況やこの雰囲気だけで体は茉桜を求めてしまっている。はやくはやく、触ってと反応してしまっている。


 体がどんどん熱くなってくるのが分かる。


「こんな格好をしていたのも、私を誘っていたのかしら?」


「ちゃうもん」


「何もしていないのにこれだけ濡れているのだから、キスをしたら、体を触ったらどれだけ濡れるのかしら」


「ヘンタイ...」


 茉桜の舌が口の中に入って来た。舌の場所は分かっているはずなのに、まだ絡めない。焦らすようにゆっくりと口の中を撫で回す。歯を舐められ、歯茎を舐められ、やっと舌を絡めるのかと思ったら唇を舐め出す。


 茉桜が欲しいと思って舌を探すが、逃げられる。


「茉桜ぉ...」


 ほしい、茉桜がほしい。舐めたい。舌を絡めて茉桜の味を感じたい。


「ふふ、どうしてほしいの?」


「ん...」と声が小さく漏れながらウチは舌を出し、ちょうだいちょうだいとアピールする。


 茉桜は指でウチの舌を摘み「これをどうしてほしいの?」と言ってきた。


 わかってるくせに!


「ひたをからまへたい、もっおぉ」


 舌を絡ませたい、もっと、と言いたかったが舌を摘まれていてうまく話せない。


「いい子ね」


 茉桜は指を離し、口を開け舌を出してゆっくり、ゆっくりと近づいてきた。


 もうすぐ触れる。


 ちょん、と舌の先端同士が触れる。


「んっ」


 少し触れただけなのに心臓が喜び、ドキドキが激しくなる。


 嬉しい。


 でも足りない。


 こんなんじゃ満足出来ない。


 舌の先しか触れていなかったが、ゆっくりと茉桜の口に含まれていく。


「んんっ」


 食べられてしまった。


 ぴちょぴちょと音を立てて唾液を吸い出される。


「ん、はあ...」


 茉桜の唇を感じていると急に口の中に侵入してきた。


 今度は茉桜の唾液を味わう、舌が絡みつく、ずっと欲しかった。

 焦らされて焦らされてやっとご褒美をもらえたペットのように茉桜の舌に吸い付き、絡みつける。


「ふふ、よっぽど欲しかったのね。私もゾクゾクしてしまったわ」


 茉桜が喜んでくれてる、嬉しい。


 ブラを外され、キスをされながら胸を触られる。


 直に触られるのではなくシャツの上から撫でるように。



「ふふ、ここを触ってと言わんばりね。かわいいわよ、叶彩」と言いながらシャツの上からでも分かるくらいに主張している場所を指で刺激し始める。


「あっ...!んっ、ん..!ダメ...それっ」


 リズム良く繰り返される刺激、時には指で回すように触られた。


 指で刺激し終えるとシャツを捲り上げ、かたくなっている乳首をほぐすように舐め始めた。口の中で転がすように舐め、時には唇で挟んで舐め、強い刺激を与える時は少し歯を立てながら舐めた。


「んっ、んっ!...はぁ...はぁ...あっ、!」


「ふふ、もっと練習させてね?叶彩に喜んで欲しいの」


「はあ...はあ...うん、ウチでいっぱい練習して。ウチだけに、ウチだけにっんむ..っ!」


 ウチだけにしてと言おうとしたらキスをされた。


「いきなりかわいい事言うんだもの、誘うのが上手ね」


「うるさぃ」


「ちょっと確認してみようかしら」と言って最初にやったみたいにパンツの上に手を置いた。


「んっ!」


 ビクンと体が反応する。


 特別な事をされたわけじゃない、ただそっと手を置かれただけ。


「すごいわね。叶彩って濡れやすいのかしら、敏感なのね。こんなに濡れてるなら、これ脱がしてしまおうかしら」


 パンツに手をかけ、おろし始めた。


 恥ずかしすぎる。


 アカン、こんなんアカン。

 絶対おかしくなる、さっきから、なんか、下が変な感じや。


「あぁ、叶彩好き。大好きよ」


 上に乗っていた体勢から横にずれて、乳首を舐めながら、右手でぐしょぐしょになっている場所に触れる。


「んぅっ、あぁっ...!」


 まだ周りを触られているだけなのに。


 茉桜の指がウチの...大事な所を、恥ずかしい所を触ってる。アカン、こんなん無理。気持ちいい。


 更なる刺激を求めるかのよう、もっとしてほしいとアピールしているように、無意識に茉桜を強く抱きしめる。


「茉桜ぉ、んぁ...っ!んぅ、んっ、ん」


「ふふ、こんなに乱れて、すごくエッチな顔をしているわよ?」


「言うなぁ」


「指を入れるけど、痛かったら言ってね?」


「え?」


 あれだけ濡れていると、ニュルっと入っていき、何の抵抗も無く指を飲み込んだ。


「んんんっ...!」


 やばい...きもちいい...っ!


 あれだけ時間をかけられてたっぷりとかわいがられた体はもうすでに果ててしまいそうだ。


 茉桜を抱きしめていた力が更に強くなる。


 指が前後に動いたり、何かを探すように動いたり、どんどん刺激を与えていく。


「ダメ...っ!あぁっ、んっ、!」


「かわいい」


「やだっ...あぁ、気持ち、いぃっ!ダメっ、あ、んっ!」


 ビクビクと体が震えて全身に入っていた力が抜けていく。


「ふふ、とてもかわいかったわよ」


 額にキスをしてギュッと抱きしめてくれる。


 お互いの愛情を確かめるように何度か唇を重ね合わせた。


「茉桜、好き」


「私も好き」


 お互い大事に包み込むように抱き合い、深い眠りについた。


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